990125


大手ゼネコンは悪代官だ

明日の仕事をどうしよう

設備工事会社代表 岡田 義則


 小生、長年建設関係で設備工事を生業として、今日までやってきた小企業の代表者です。今までも結構景気の変動はありましたが、その時はある程度先がみえていました。

 ところが、このたびの不景気は、政治の貧困、国民を無視している政治家たちの無策か、まったく先がみえません。政府が銀行の貸し渋り対策をいくらやっても、借りられても返す当てがないので借りられないのがわれわれ小企業の悩みです。明日の仕事をどうしようか?現在これが問題です。

 ところで、この業界での不景気の原因で、今まで隠されていて、問題にされていない大きな部分がありますので、ご一考をお願いします。

 建設業の設備関連企業の不況は、日本独特のゼネコンが原因です。ご存じのように日本のゼネコンといわれている建設会社のほとんどは、膨大な赤字を抱えています。それは、彼らの飽くなき貪欲さが招いた結果であって、われわれ下請けにとってあずかり知らぬことです。

 彼らは、その膨大な借金を返すために、現在も、下請けからなりふり構わず搾取しています。われわれからみるゼネコンは、小説によく出てくるような悪代官です。建築屋が、空調、電気、水道などの設備まで受注し、何もしないでピンハネするゼネコンとは以前からこのような搾取企業体です。

 そうした金でバブル期に踊った結果が、現在の彼らの状況ですから、ざまあみろと言いたいところですが、われわれも足を引っ張られています。

 小生の経験からしても日本の設備業者は技術的に優秀です。それどころか、ゼネコンが音頭をとるために非効率にならざるをえないことが多分にあります。それに、己の威光をひらけさすためか、態度は超高圧的で徹底した管理社会です。

 現在、公共事業は分離発注が大部分で、何ら問題など起きていないことをみても、サブコンが施工管理、安全管理ともに十分できることが証明されていると思います。そこで、われわれ設備業者がゼネコン抜きで、正当な価格で仕事を受注できれば、この不況のいくらかは解消できるのではと思っています。

 このままでは優秀な職人もいなくなり、顧客も最新の設備を利用できない状況が続いていく可能性が強くあります。

 施主には悪いが、限られた予算内に納めるために、仕様を落とすことは、日常茶飯事です。立派な設備を提供しようと思ってもできないのが現状です。

 ある程度の役人および政治家は、この悪癖がある程度景気の足を引っ張っていることに気がついていると思うのですが、まったく声になって出てこないところが、日本です。この文書は、多方面に配布するつもりですが、心ある人、何とかしてほしいのです。


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