981215


待ってても変わらぬ社会…

働きかけていかなくては

元保育労働者 赤松 美穂


 私は今年の四月、勤めていた無認可保育園を辞め、いま職探しをしています。

 保育園の仕事は二年ほどやっていましたが、結婚することになり、通勤の都合でやむなく退職しました。

 保母の仕事は単調ではないし、子供が大好きなので楽しく働いていました。でも、労働条件は最悪で、園長の独断ですべてが決まるという職場でした。給料はそんなに悪くなかったのですが、有給休暇をとったら皆勤賞が出ない、行事があれば日曜日も出勤。建前は隔週休二日でも、土曜日もなかなか休めませんでした。

 労働組合をつくろうという話もあったのですが、私は退職することになり、実現はしませんでした。女性ばかりの職場では、お互いに名指しで批判することができません。言いたいことを率直に言い合うほうが、お互いに高まっていくと思うのですが。

 保育園で働く前は、車のセールスをやっていました。営業の現場で働く人は、まさに使い捨てです。男の人でも成績の悪い人は辞表を書かざるをえないように追い込まれていきます。

 そういう現場では、女の人はオマケという感じです。同世代の女性も、「結婚相手を探すために就職する」という人も多いようです。

 私は営業の仕事も好きでしたが、異動も多いし、一生続けられないなと感じ、退職しました。

 長く続けられる仕事がしたいです。そして、子供も生みたい。だけど、子供を生む予定だというと、どこも正社員では雇ってくれません。

 職安にときどき行っていますが、保母の仕事はまったくありません。私はまだ、保母の国家資格をとっていないから、なおさら就職はむずかしい。地方公務員に応募するには、年齢制限もあります。私は二十七歳になりますが、女性の二十五歳以上の求人はとても少ないと思います。

 私が初めて就職したのは、バブルが崩壊する少し前でしたので、そのときはそれほど苦労なく就職することができました。いまはそんな楽な時代ではありません。

 職安の求人票でも、詳しい仕事内容をもっと公開してほしい。妊娠しても臨月まで働くことができるのか、産前産後の休暇はどうなっているのか、育児休暇の有無、勤務時間なども求人票に書いてほしいです。

 男の人は子供を何人持っても働き続けられるのに、どうして女性はそうならないのでしょうか。もっともっと、子育てしながら働きやすい世の中になってほしいです。

 そのためには、待っているだけではなくて、私たちがどんどん働きかけていかなくてはならないのですね。

 


Copyright(C) The Workers' Press 1996, 1997,1998