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釜ケ崎にコメ支援を!

教育委が歩道に散水装置

労働者を追い立てる教頭

大阪・久保 政男


 近畿の失業率は五・二%、北海道と並び全国最低レベルを記録しています。昨日まで定職についていた労働者が職場を追われ、やむなく路上生活を送る人が増えています。

 大阪西成区でも、この地区の職安に隣接する大阪市立萩ノ茶屋小学校と今宮中学校の壁ぞいの歩道でも、たくさんの労働者が体を休めています。

 ところが、大阪市教育委員会は萩ノ茶屋小学校と今宮中学校の壁とさくに、歩道に向けた散水装置をとりつけました。全国ではここだけの装置です。

 毎朝、教頭先生が出てきて、掃除をするといって労働者を歩道から追い立てます。この光景が、今宮中学校では今年の夏まで続いていました。

 こうした光景を目にする子供たちの心に、どんな考えがはぐくまれていくのでしょうか。弱い立場の人、困っている人はいじめてもよい、人権を無視してもよい、ということにならないでしょうか。

 釜ヶ崎地域合同労組(稲垣浩委員長)では、早くから教育委員会に散水装置の撤去を要求してきました。そして撤去が実現される前に、十月にはついに心配していた事件が発生しました。授業の休み時間に、今宮中学校で労働者が暮らすテントへの放火事件が起こったのです。この事件以外でも、生徒がコーラの空き缶を投げつけたり、火をつけた紙飛行機を飛ばしたりと、労働者をいじめる行為は多く発生していました。

 教育委員会は「善処」を口にしますが、自らが労働者を追い出す散水装置を取り付け、しかもそのことへの反省と撤去もないままに、どのような呼びかけを生徒に行ったとしても効果があるのか、はなはだ疑問です。

 教育の現場で、公費を使って、こんなことが許されるのでしょうか。これが文部省の「心の教育」でしょうか。

 なお釜ヶ崎では、一日に二回、二十年以上も炊き出しが行われてきましたが、最近になり、コメを保管していた倉庫が不審火にあい、炊き出し用のコメが不足するという緊急事態が発生しています。カンパは、粒が小さく市場に出せないコメや、おかゆに混ぜ込むそうめんや調味料なども求めています。

 教育委員会や大阪市当局への抗議とあわせて、炊き出しへの支援をお願いします。

激励先

大阪市西成区萩ノ茶屋二―五―二十三  釜ヶ崎解放会館一階
釜ヶ崎地域合同労働組合
委員長 稲垣 浩
電話〇六(六三一)七四六〇 


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