981025


郵便番号7ケタ制導入で

人も仕事も様変わり

当局への不満が増幅

郵便労働者 池田 敬三


 読者の皆さん、お元気ですか。

 皆さんもご存じのように、今年の二月から郵便番号制が七ケタに変わり、利用者の方々にも大変な手数をかけていると思います。七ケタ区分の導入が、郵政現場で今どうなっているのか、裏の話もまじえて報告してみたいと思います。

 私の働いている郵便局では、十月から本格的に機械が始動しています。それまでは七ケタ区分の仕事は、配達員とかパートさんが、配達する道順を「手で組み込み」していました。今は、コンピュータと区分機(一台二億円ぐらい)を連動させ、機械で道順を組んでいます。

 郵政当局は、機械導入によって配達員、パートの削減を進めていくことを狙っていました。しかし、機械区分になってから、以前より誤区分、誤組立、誤配が多発しています。また、他局配達の郵便物が混入したりで、全国的にも混乱しているようです。仕事の手間ばっかりかかり、多くのロスタイムが出ています。

 いま、郵便局は利用者無視の状況になっていると思います。それに追い打ちをかけるように、職員の転勤(人事交流の名による強制配転)が春と秋にありました。今まで地域と密着していた十年、二十年のベテラン職員がいなくなりました。

 かつては同じ職場で長年培われた信頼をもとに、労働組合の分会活動は活発でしたが、人事交流で新しい人が増え、労働組合の団結もゆるんでしまいました。

 職場では、当局の締めつけに対する不満が次第に増幅されています。課長曰く「仕事がイヤだったら、今すぐ辞めてもいいのだから」と。この横柄な態度に、誰もが「なにくそ」と思っています。六十歳の定年を待たずに、多くの先輩が辞めていきました。

仕事がら、地域の人びとの暮らしぶりが手に取るように分かります。小さな商店はこの不況でどこも大変ですし、町工場でも「仕事がない」とご主人が嘆いています。

 そんな庶民の生活をよそに、銀行には六十兆円の税金を惜しげもなく投入することが決まりました。弱い者いじめの政治を変えるために、がんばりたいと思います。


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