981025


給食時間に昼休み?

無責任なこと言わないで

誰が子供たちを見るの

小学校教員 太田 恵子


 私は今、怒っている。

 九月十九日の新聞に、教職員の勤務時間についての記事が載っていた。「市立小中学校の教職員の勤務時間は、午前八時から午後四時四十五分まで、うち四十五分間は昼休みが原則だが、横浜市教育委員会の調査で、午前八時半から午後四時に設定している小学校が全体の九七%あり、問題だ」という記事だ。

 簡単にいえば、昼休みをとれない仕事上、昼休みを勤務時間の最後に位置づけていることへの疑問の記事である。市会議員が議会で指摘したということだが、昼休みをとれないという実態を分かっていない人間の声だ。

 想像してみてほしい。昼の四十分の給食の時間に、六、七歳の子供三十人以上に自分たちで配ぜんさせ、食べさせ、片づけさせるのである。やれ牛乳をこぼした、配ぜん室に運ぶとき、ご飯の器をひっくり返したとか、いろんなできごとがある。そのようなことがないよう私たち教師は、一生懸命にやっている。

 給食が終われば掃除である。ほうきの使い方、ぞうきんのしぼり方をきちんと家庭で教えられて入学してくる子はほとんどいない。「ほうきがぶつかった!」「誰ちゃんがさぼっている!」となる。大人のようにスムーズに掃除ができるわけではない。

 私はそのことを嘆いているのではない。子供はいろいろトラブルを経験して成長していくものだと思っているから。しかし、指導は必要なわけである。

 このように、手がいくつあっても足りないような時間に、昼休みをくれるというならありがたくいただきたいものだと思ってしまう。どうせ勤務時間内で帰れたことなんてないんだから。いつも六時、七時の帰宅時間である。これだって問題でしょう。

 昼に一時間もらって、干したフトンでも取り込んで、一息入れて来ていいんならそうする。でも、残された子供たちは誰が見てくれるの? ほったらかしてもよいと言うの?

 怒っているのは私だけではない。職場の同僚も、「現場に来て、実際を目にしてから言ってほしい」と怒っている。無責任に、昼休みをとれなんて…。「どんなことになっても知らないよ」と言いたくなってしまう。


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