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営業時間延長、休日減…

大型店の申し入れを拒否

小売店の我慢にも限界が

商店主 森下 友也


 商店は昔からの習慣で、各種の祭、盆踊り、地域のイベント、バザー、はては神社の改築費、街灯の電気代まで、さまざまな負担をしてきました。また、少ない休みに労働力も提供してきました。これも、地域のため、ふだん買って下さるお客さんのため、との気持ちがあるからです。

 このところ当たり前になりましたが、小規模の商店の廃業が相つぎ、代わりに大型店、チェーン店などがつぎつぎに出店してきています。

 小規模商店は付き合いもあり、廃業間際までなけなしの金を寄付したりしてきました。

 一方、大型店、チェーン店は「本社、本部に聞いてみなければ」とか、雇われ店長だとかで、商店会費千円、二千円でも払うのも嫌がることが一般的です。もっとも商店会のほうでも、本心をいえば「どうぞ、どうぞ」という気にはなりませんが。

 最近、私が所属する商店会で、加入している大型店が相ついで「営業時間を延長したい。休店日をさらに減らしたい。酒売り場を増設したい」など、申し入れてきました。聞けば、例にもれず大型店でも売り上げの伸び悩み、減少で、他に合わせる方針だそうです。

 商店会に加入し相談するだけでもまし、とも思っていたかも知れません。規制緩和で今や休日や営業時間はなんの法的規制もなくなり、スンナリいくはずだと思っていたようです。

 しかし、商店会は再三の話し合いの結果、若干の時間延長を除いて、答は「ノー」となりました。もうすでに大型店は月に一〜二度しか休まず、時期によっては夜九時まで営業しています。

 今さらという気もしますが、近くのマーケットの店主、酒屋さん、米屋さんなど皆で、出席していた大型店の店長に「ノーということで上部に伝えてくれ」ということになりました。

 果たして今後どういう答が返ってくるか、まだまだ闘いが続きそうです。温厚で声がなかなか出なかった商店も、「我慢も限界がある」という時代になってきました。


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