980915


青酸缶ジュース事件

地元商店にダブルパンチ

長野 営業マン 横田 孝


 最近、ぶっそうになってきました。全国的に有名になってしまいましたが、長野県須坂市でおきた缶入り「青酸ウーロン茶」事件は、そこいらじゅうに相当な影響が出ています。

 まず第一に、私事でいえば、自動販売機などで「缶入りジュース」が怖くて買えません。私の仕事は、外回りがほとんどで、コンビニや自動販売機といったものは、なくてはならない存在です(一服する機会の多い私にとってはなおさらです)。

 また一方では、ただでさえ売れ行きが悪いスーパーの売り上げをよりいっそう悪くしています。安全確保という観点から試食コーナーをとりあえず中止しているスーパーもあります。

 また、小学校では自動販売機での缶入りジュースを買うときの注意点をくどくど説明しています。これでは「自動販売機でジュースを買うな」と言っているようなものです。

 このように食料品のスーパーは、この売れ行きの悪い時に通常の販売促進さえできないという、踏んだり蹴ったりの状況です。

 「売り上げが悪い」といえば、スーパーの売り上げがこんなに悪い中、長野県には新しいスーパーがどんどん出店攻勢をかけてきています。ひどい所では、隣同士に競合スーパーが店を出す始末です。

 「大型店と大型店が競争すれば、まわりの『パパ・ママ・ストアー』が売り上げを落とす」といわれてきましたが、最近では近隣にある中規模スーパーも大幅に影響が出てきています。

 地元のスーパーでは従業員が「夏のボーナスが大幅カットになった」とぼやいていました。いつもはなかなかいうことを聞いてくれなくて、「おもしろくない野郎だなぁ」と思っていましたが、こういう話を聞くと、反対になんともやりきれない気持ちになってきます。

 大型スーパー(ダイエー、ジャスコ、西友など)の次から次への出店攻勢により、地元の中小小売店、中規模スーパーはどんどん売り上げが落ちてきています。

 自由競争のすさまじさが身にしみてよくわかります。大型チェーン店にしても、この不況のあおりをうけて、実際にすごいリストラをやっています。

 まさに「行くも地獄、去るも地獄、さりとてとどまっていてもやはり地獄」という、なんともすさまじい世の中になってきました。

 全国の皆さんもくれぐれも健康には気をつけて、がんばってください。


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