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押し寄せる農業破壊の波

今年の減反は30%

農業に未来はあるのか

秋田・農業 堀 信幸


 参議院選挙で確かに自民党は敗北したが、秋田県では自民党候補が当選した。これほど自民党への批判が高まっているのに、社民党など野党が分裂しているので政治が混迷すると思う。自民党が弱体しているが、これに立ち向かう野党に力がないということだ。

農業団体は自民党に期待しているが、個々の農民は期待していない。農民といっても、専業農家はごくわずかだ。農村でも兼業農家が多く、会社員の方が多いのが実態だ。だから農村で自民党に投票したのは、農業団体関係者と専業農家ぐらいではないだろうか。今回の参議院選挙の投票率をみると、農村でも悪い。

東北で自民党が敗北したのは、農民の怒りの表れとみる人もいるが、私は違うと思う。自民党は負けたというが、誰が勝ったといえるのか。自民党への批判票はあるが、次に参議院選挙があればまた変わる。

 なぜなら民主党の政策は自民党と変わらない。だから自民党でも民主党でも政治は変わらないのではないか。しかも選挙では、自民も民主も農業問題を取り上げていない。農民からすればどっちがなっても同じだと思う。

今の農業問題はなんといってもコメの減反、価格補償問題だ。コメが豊作になっても価格が下落すれば、どうにもならない。これは野菜も同じだが。

 昨年は二五%が減反になったが、今年は三〇%の減反だ。これだけ減反されると、農村でも農業離れが目立つ。こうした農政を根本から変えることなしには、農業に未来はない。こうした農政をみていると、今の政治に無力感を感じる。


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