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私の周りで「倒産」4件

規制緩和に貸し渋り

闘う以外に道はない

港湾労働者 佐伯 健二


 私は港湾で働いています。ご存じかも知れませんが、港湾運送事業者は圧倒的に中小零細企業です。その港湾においては港湾運送事業法、港湾労働法の規制緩和が進められており、これに反対して私たちは皆、一生懸命闘っています。昨年も二回のストライキを闘いました。

 また運送料金のダンピングが横行すると同時に、新たな大手業者などの参入を認める新免許制度などによる規制緩和が進行し、雇用不安は増大しています。一方、トラックなどの車両関係はすでに運輸二法改正によって規制緩和は大幅に進み、競争がいっそう激化しています。そのため料金は「荷主の言いなり」といってよいほどに下落しています。

 これだけでも大変なのに、最近は銀行の貸し渋りが加わり、ダブルパンチを浴びています。そのため、私の所属する支部関係だけでも、この半年間で倒産処理のための和議申請が一件、破産手続きが三件申請されました。

政府は銀行救済に三十兆円も使うと報道されていますが、もっと中小企業へ援助の手を伸ばしてほしいものです。

 現実に規制緩和が進み、景気が落ち込んで仕事が減少する中で、政治の光も当たらない私たちは、自らの団結した力に頼って職域と雇用、生活、権利を守るために闘う以外に道はありません。

 組合は、企業が倒産しても労働者の退職金の確保や再就職のあっせんなど粘り強く闘っています。

 私たちもがんばっていますが、全国の読者の皆さんもがんばってください。


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