980725


記念式典に1000万円?!

飲食代「ボーナス」を上乗せ

少し胸がスカッとした

機械工場労働者 山形 俊夫


 みなさん、今年の夏のボーナスはどうでしたか。

 私は、二百人ぐらいの労働者が働いている工作機械工場で、労働組合の副委員長をしています。さっそうとボーナス闘争の報告をしたいところですが、残念ながら昨夏より低い額で妥結しました。ただ、おもしろいことがありました。

 ボーナス交渉の中で、会社から「工場を拡張する。その記念式典を行うから組合員も参加させてくれ」という話が出ました。聞くと、一千万円の予算だそうです。びっくりしましたが、当然、組合員から声があがりました。「そんな金があるならボーナスに回せ!」。

 執行部はいったん持ち帰り、組合員にボーナス交渉の経過も報告し、「みんなは式典に参加したいか」と聞いてみたところ、「エラい人がいっぱい来るんだろう」、「出たってしょうがない」という声が多数でした。

 それじゃあどうしようかと執行部で相談。会社に「組合員は参加したくないと言っている。その分の飲食代金を組合員に還元しろ」と要求しました。会社は最初は「他の工場から人も来るし、従業員が参加しないのはどうも」とか、「金で戻すのはどうか」と渋りました。

 そこで「式典の金といっても、われわれが働いた金ではないか」という一発が効果てきめん。会社に要求を認めさせることができました。私にとっても組合員にとっても、思ってもみなかった「ボーナス」です。

 給料は銀行振込ですが、このお金については現金で支給する約束にしました。銀行振込だと母ちゃんにごまかしようがありませんが、これだけは…ウフフ。金額? それは内緒。

 昨年より低いボーナスで頭にきていましたが、これで少しは胸がスカッとしました。しかも給料日前だからありがたい。組合員も同じ気持ちのようです。

 みなさんも少しがんばってみませんか。


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