全国のみなさん、お元気でしょうか。私は民間の病院につとめる看護婦です。
昨年の医療保険の改悪以来、外来、入院患者数が相当に減り、私の勤める病院も経営的に非常に厳しい状況になっています。三月期決算は赤字ではなかったのですが、医療界全体でみるとむずかしい段階になっています。
こうした経営難のつけは、現場の職員にまわってくることになります。これまで四人夜勤体制だったのが、三人夜勤体制になりました。新入職員の採用も昨年の半分以下です。人手不足が深刻で、欠員が出たときのことを思うと心配でなりません。そのうえ賃上げ額は消費税にも満たない状況です。
また、医療費高騰は患者さんの負担増というだけでなく、看護婦をはじめ医療現場で働く人たちの環境をたいへん厳しいものにしています。「病院様様」という患者さんの意識は今はなく、逆に高い医療費を払わねばならない患者さんに、私たちが振り回されるようになってきているのです。
最近、そんな現場の状況を反映するような出来事がありました。患者の方があまりにも暴言をはくので、看護婦もついムキになって「そのくらい、自分でやりなさいよ」というようなことを言ってしまったようです。そのことが患者の気にさわり、とうとう裁判沙汰にまで持ち込まれました。看護婦さんも土下座して謝ったそうですが、許してくれないそうです。
「よりよい医療を」と私たちが思うだけでは、解決できない環境になってきています。これからいったいどうなっていくのでしょうか。医療や福祉にたずさわる仲間たちと悩みなどを相談しながら、がんばっている毎日です。
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