980605


沖縄行進に参加して

「痛み」を運動の基にしたい

これが基地の爆音だ

星野 光一自営業 田中 たかし


 まるで押さえつけてくるような音が突然、行進の列を襲った。何の轟音かほんのしばらく分からなかった。あまりの凄さに、どこから聞こえてくるのかさえ分からない。恐ろしい夢の中でいくら逃げても逃げきれない時のように、この不快な脅迫者はなかなか去らない。

 だれかが空を見上げた。青さが見え始めた梅雨空を背景に灰色のジェット戦闘機がゆっくりと動いている。これが基地の爆音か。これなら子供たちが難聴になるのも当然だ。

 叔父と叔母が福岡空港と伊丹空港近くに住んでいるので、テレビの音がわからなくなる被害を体験したことがあるが、民間航空機の比ではない。音の大きさに機体の写真を撮るのを忘れてしまった。

 他人の痛みは我慢ができる。経験したことのない苦痛ならなおさらだ。

 米軍基地の音を聞かせに、集団自決=虐殺のガマ(洞窟)の闇を見せに、まずわが子と友人を沖縄に連れて行こう。「痛み」を運動の基にしたい。


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