980525


何でこんな役員選んだの?

査定導入を推進する執行部
職場討議でスッタモンダ

機械製造労働者 吉村 徹


この一年間、うちの会社はバブルがはじけて以降もっとも忙しい年になった。人が減ったせいもあるが、仕事量も多く、みんな疲れ切った一年だった。

そんななかで職場では、今度の一時金から査定が導入された。昨年暮れの一時金交渉で会社から提案があり、いったんは先送りしたものの、今年の春闘で再提案。

 職場討議会では「賃上げで査定され、一時金でも査定されれば二重査定じゃないか」「誰が査定するのか。あんな管理職なんかに査定されたくない」「職場の活性化のためにやるべきことはほかにいくらでもある」「一時金を満額出せば、査定などしなくても何よりの活性化になる」「公平・公正と言うが、信用できない」など、いっぺんに会社に対する不満が噴出した。

 管理職に対する信頼ゼロ。これに対して組合三役の一人は「今どき一時金に査定が入っていない会社はほとんどない」だの、「査定導入で職場の活性化につながる面もある」だの、まるで会社の手先そのもののような答弁。

 後で執行部の友人に聞いたら「執行部のなかでも彼は査定導入の積極的推進派」とのこと。なんでこんなやつを組合三役にしたの?

討議会が終わって数日後、臨時大会で「一時金の査定導入やむなし、条件闘争に切り替える」との執行部方針について賛否を問う採決の結果、小差で可決された。

 「査定に賛成する人、こんなにいるのかな?」「自信ある人けっこういるんだ」などなど、私のまわりでは「信じられない!」といった声。その後もスッタモンダあったものの、一時金への査定導入が決まった。

春闘が終わって五月も半ば、一時金の査定など忘れかけていたときに、課長による査定面談が始まった。信頼ゼロの課長連中が、鉛筆なめなめいいかげんな査定を付けているらしい。

 ある課長はやっとのことで付け終わった後、別の職場の査定結果(五ランクの上位二ランクに集中)を見て「これじゃうちの職場の査定が悪すぎる」と激怒。一度上司に出した査定表を取り返しにいって、また付け直したそうだ。

 だから言わんこっちゃない。「公平・公正な査定」なんかできっこないのに。この調子だと、いざ査定が決まって一時金が支給されたらまたゾロ一騒ぎになりそうだ。

その後も会社からは社宅料の値上げだの三六協定の見直しだのいろいろ言ってきている。考えてみればこの一年、本来の三六協定の通りだった月は一カ月しかなかった。何のための残業規制なのか。

夏にはまた労働組合の定期大会で役員の改選がある。「査定導入に積極的な人間が執行部にいたらまずいよね」といった話がまわりで始まっている。

 だれをみんなの代表として執行部に送り出し、どんな組合運動にしていくのか、みんなとよーく話し合っていきたい。


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