景気が低迷していて、「昭和恐慌の再来か」などとマスコミでいろいろと報道されていますが、あまりピンときませんでした。
ところが四月二十七日、県内北部にあるアサヒコーポレーションの子会社「アサヒゴム」が倒産し、会社更生法の適用を申請したと地方新聞のトップで報道されました。この会社が倒産し、四百余人の労働者が放り出されるとしたら大変だろうなあと思わず考えさせられました。労働者の再雇用問題や地域経済にも深刻な影響を与えることになると思います。
そんなおり、今度は私の隣の町で百四十人の不当解雇が強行され、それに抗議して闘っていることを聞きつけました。さっそく先日就労闘争支援に行ってきました。
闘っているのは、熊谷ユニオン・ティアール建材支部の山本さんです。山本さんの話では、ティアール建材は「倒産という形をとらないで、会社を再建するために、一端社員百四十人を全員解雇し、その後再雇用という形をとりたい」と突然いいだし、三月三十一日全員解雇が強行されました。
ところが、もう一つの企業内労働組合は組合員と相談することなく、執行部が会社と「解雇」に合意してしまいました。その後四十人が再雇用されましたが、採用基準は不明確でなんと企業内組合の役員八人のうち五人が再雇用されているそうです。
再雇用を希望する多くの労働者と熊谷ユニオン・ティアール建材支部の仲間が排除されたのはいうまでもありません。
そもそもことの発端は、ティアール建材の親会社トーヨコ理研で昨年十二月、不正流用事件が発覚し、会社再建のために「希望退職」を募りました。その退職者が子会社であるティアール建材に出向してきたのです。
建設業界の不況のなかで、犠牲となるのは子会社に働く労働者です。親会社と一体となった首切り・合理化攻撃を許せないと、長期闘争を覚悟しながら山本さんは闘おうとしています。
激励先・熊谷ユニオン・テイアール建材支部
熊谷市石原一四一〇の一
熊谷地区労熊谷ユニオン気付
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