テーブルいっぱいに並べられた料理の数々
宴の後にもなお
食べきれぬ品々を残して席を立つ
今だ地上の三分の二は飢えている
なのに これはどうしたことか
もはや飽食などではない
生きて命あったものへの冒涜(ぼうとく)ではないか
必死で叫んでも 声にはならぬむなしさ
あらがうことのできぬ現実
幼い頃の食卓は一粒の米さえも残さなかった
すべての食べ物は大切に扱われた
肉も魚も野菜も米もすべて
ただ一回限りの出会い
死から生へとつなぐ命の輪
口に入れれば新しい命の芽生え……
やはり 私は捜しに行かねばならない
途切れてしまった最後の輪の行方を
そうして飢えた人びとの手に どうしても
つなげなければならないと思うのだ
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