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 休暇廃止撤回勝ち取る

 電話セールス、サービス残業

 半年で20人以上が退職

吉村 弘幸・生協労働者


 私は生活協同組合(生協)に勤めています。生協といってもいろいろあり、医療生協や大学生協、保険生協などがありますが、私が働いている生協は地域購買生協といって、トラックで生協の組合員の所へ商品を届けるのが主な業務で、その他に店舗も持っています。
 全国で九〇年ごろから業績の低迷する生協が増えはじめ、なかには倒産する生協も出てきています。私の生協もその例にもれず、だんだん業績が悪化しています。その端的な現れは組合員一人当たりの購入高が年々低下していることです。九〇年ごろは一人が九千円ぐらい商品を注文していましたが、今年は五千六百円ぐらいに低下してきました。
 このため生協の理事会は、減量経営に乗りだし労働強化を強めています。商品を配達するセンターは地域ごとにいくつもありますが、人数はパートも含めギリギリに減らされています。その結果、休暇が取りづらくなり、年間の休暇日数を消化できない職員が増えています。
 またセンターの職員は、一人当たりの購入高の低下をカバーするため、注文書を出さない組合員に毎晩電話をかけ、卵一個でも牛乳一本でもよいから注文するようにとセールスをしています。その結果、注文は増えても一人当たりの購入高が低下するという悪循環になっています。
 このほかセンターには「組合員拡大の目標」という名のノルマがあり、目標が達成できない職員は配達が終わった後、個別訪問を行います。そのため残業が増えて拡大の強化月間中(年六カ月)は、退社するのが夜の九時などという異常な状態が普通になっています。しかもセンターには残業の目標があり、サービス残業が蔓延(まんえん)しています。こうした状態ですから、半年で二十人以上が退職しました。
 生協は祭日が休みではないので、五月と九月の一週間連休と年末・年始の連続休暇がありましたが、二年前に五月の連続休暇が廃止され、今年は来年度の夏季休暇も廃止したいという提案がありましたが、それは労働組合の反対で提案は撤回させました。その時には労組で署名を行い、非組合員も含めて多くの署名が集まりました。
 生協には労組があり、私も役員をしていますが、執行委員が仕事に追われ職場活動がうまくできません。そのため新入職員が労組に加盟しなくなっていましたが、最近は労組ニュースの発行回数を増やし、夏季休暇の廃止撤回をかち取り、年末一時金も労組要求にそった回答を引き出しました。こうした努力のなかで、あるセンターで新入職員五人が労組に加盟しました。
 職場が分散しているため、労組の団結力を維持していくのは大変ですが、活動を原則的に行えば成果は出てくると思い、これからもがんばろうと思っています。 


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