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 あいつぐ組合弱体化攻撃

 組合員が怒って立ち上がる

寺田 沙里菜・看護婦 


 私は、ある企業が母体になった病院で看護婦として働いています。病院の労働条件は、経営側は地域の自治体病院と同じだといっています。しかし、私たち看護婦は夜勤があるので、夜中の一時二時に仕事が終わることもあります。他の自治体病院では、そうした場合には自宅までのタクシー代を支給しています。
 ところが、私の病院では駅までのタクシー代しか支給されません。夜中に駅にたどりついても電車が走っているわけもなく、結局自宅までタクシーで帰るしかありません。病院が支給するタクシー代と実際に使う額との差は、月にすればかなりの額になります。
 ある時、そのことを経営側に言ったら、自治体と同じなのは基本給で手当は別だととりあいません。こんな調子ですから夜勤の月八回以内、二人勤務なども、保障されていません。
 さて病院では、ここ数年前から経営側から組合員への脱退工作、役員選挙への介入、はては組合機関紙への言いがかりなど組合敵視と弱体化攻撃がかけられてきました。
 こうしたなかで、組合脱退を表明した婦長たちに、組合にとどまるように説得工作を精力的に活動してきた役員を人事異動と称して不当配転させました。その役員は薬剤師ですが、移動先は薬局とは何の関係もない物品の管理です。しかもたった二人の職場ですから、早退や休むことも難しく、実際には組合活動をさせないための不当配転です。そのために組合では不当配転として地方労働委員会に提訴したところです。
 そうした攻撃は、親企業のリストラ・合理化が進められるなかで、病院もその対象になったからです。リストラ・合理化を進めるために、邪魔な組合を弱体化するために攻撃がかけられたのです。
 経営側のあまりのやり方に組合員が怒りを覚え、闘いに立ち上がりました。
 月に一度の地労委での審議への傍聴行動、同じ系列病院の他の組合や地域の労働組合への支援要請などを行っています。そうしたなかである職場の人たちは、自分たちの休暇を利用して応援にきてくれたりしています。
 私たちは、労働法でいわれるような対等な労資関係と自由にモノが言える職場をつくろう、この病院で働いていてよかったと言えるような職場にしようと奮闘しているところです。
 すでに同じ経営母体の労働組合の仲間が注目し、応援してくれています。私もその一員としてがんばっているところです。 


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