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八丈島から 客が減り景気の悪さを実感

中嶋 とも子


 夏も盛りを過ぎて、ここ八丈では朝晩は秋の気配を感じるこの頃です。今年は台風の当たり年で、発生したというニュースを見るたびにドキッとします。幸い、これまで大した被害はありませんでした。

 私の仕事場である観光農園は、三月の花の種まきから、鉢上げ、植え付けと休みなしに働いてきて、やっと五月末に開園し、なんだかんだありながらみんなで力を合わせ軌道に乗ってきたところです。

 今の時代、みーんな安くてうまくて遊べて買い物ができるという海外へ行ってしまうので、八丈島は観光客が減る一方です。

 主な産業はというと、やっぱり観光でしょうが、農業の方が大きいのではないかと思います。アシタバ、ロベレニーフェニックス、さかき、観葉植物(鉢物)などやフリージア、アロエなど売り物にしていますが、観光業務も前向きでなく、客が来るなら来いといった態度でこれなら客が減っても仕方ないんじゃないかと思います。生活していかなければならないので、みなであれこれ知恵をしぼり、飛行機や船が着くたびにうちの園の宣伝をして客を集めています。

 園内はいろいろな花がいっぱいで、八丈小島を見ながらのサンデッキでの生ビールの一杯は最高です。

 景気の悪さはお客様のお金の落とし方、ツアー客の種類で実感でき(夕食抜きで大ホテルに泊まる)、むずかしいナーと言い合っています。

 今年は花に力がとられたため、野菜類があまりとれません。それでもとれたてのオクラ、きゅうり、ピーマン、トマト、ナス、メロン、スイカなどがひととおり自家用の分以上の収穫はあります。これから冬用のパンジーの鉢上げ作業がずっと続きます。

 皆様、羽田から三十五分のここ八丈島に是非おこしくださいませ。釣りたての魚と新鮮な野菜で歓待いたします。仕事で疲れたら息抜きに来て下さい。


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