ストライキで闘う韓国労働者　耳に残る力強いシュプレヒコール　

労働新聞　2004年12月5日号通信・投稿

ストライキで闘う韓国労働者
耳に残る力強いシュプレヒコール
全労協・日韓交流
労働者訪韓団に参加
闘う勇気と確信を得た

全国一般東京労組執行委員　中原　純子

　１１月１４日に開催された韓国・民主労総主催2004年労働者大会に参加しました。
　全労協中岡事務局長を団長に、東水労、全国一般東京南部、全統一、そして全国一般東京労組から全労新聞輸送分会の組合員とフジ製版分会の私です。若年労働者優先の企画でしたが、非正規の女性労働者として参加しました。
　民主労総傘下の労働者たちが１年間首を長くして待ち望む労働者大会……。特に今年は、①公務員労働３権完全保障と②非正規労働法改悪阻止、非正規保護立法争取の闘争課題を前面に掲げ、１５日から公務員労働者がストライキに突入するとともに２６日のゼネストを宣言した熱気あふれる労働者大会でした。

■民主労総を表敬訪問

　ソウル仁川空港には、大会準備で多忙の中、ユ・ドクサン民主労総前首席副委員長と、通訳をお願いしたチョン・シンクック旧韓国オムロン労組委員長が出迎えてくださり、夜も遅いため２日酔いのときに食べる胃にやさしいというヘージャンクッを囲んで交流しました。翌朝の韓定食もおいしかった！
　労働者大会準備でごったがえす民主労総への表敬訪問では、フジ製版分会も協力した日本の非正規雇用労働者の現状をまとめたビデオ『未来をひらく女性たち～パート・派遣の現場から』の英語版と資料を手渡しました。

■非正規雇用問題掲げ闘う

　光化門に続く８車線の道路を５万人の労働者で埋め尽くした民主労総の今年の労働者大会のスローガンは、①労働法改悪阻止、非正規保護立法争取、②韓日自由貿易協定（ＦＴＡ）・韓米投資協定（ＢＩＴ）締結阻止、③国家保安法廃止、④労働基本法および労働関連改革立法争取、⑤公務員労働３権完全保障、⑥イラク派兵延長同意案阻止、⑦米軍基地移転費用負担反対、ピョンテック移転阻止です。
　非正規労働者が全労働者1500万人の５５％を超えている韓国で、非正規労働者の課題を前面に掲げて闘い、労働運動が全体として大きく前進していることを強く感じたのは、労働者大会を締めくくる２人の決意表明でした。
　まず、不正・腐敗をなくし１４万公務員労働者の労働３権を保障させるため明日１５日からストライキに入るという全国公務員労組委員長の表明があり、続いて非正規労働者を代表して女性組合員が発言。彼女は、８００万人にもなってしまった非正規労働者のために非正規労働法改悪阻止、非正規保護立法争取を訴えるとともに、正規・非正規を超えた階級的闘いのため公務員労組のストライキを支持して２６日のゼネストを闘おうと決意表明したのでした。

■労働者と焼酎酌み交わす

　私たち訪韓団を防衛してくれた現代自動車労組のグヮンさんと通訳を応援してくれたリ・ビョンヒさんのお２人も忘れられません。
　グヮンさんは１１月１日から３日まで韓日ＦＴＡ反対抗議行動で来日したとき、民主労総の旗を掲げて機動隊に突っ込んだそうです。大会の終了間近に露店の焼酎を酌み交わし「日本ではありがとう！　さようなら」と仲間の隊列に戻っていきました。
　また、市民運動の事務局をしているリ・ビョンヒさんは別れぎわに「韓国はここ３０年くらいに、他国で２００年かかったような経験をしています。それは、あまりにも激しく熱気につつまれたものです」と話してくれました。
　「最後まで散らばらず闘おう！　散らばると俺たちは死ぬぞ！」と歌ったストライキの歌、「団結！（ダンキョル）闘争！（トゥジェン）」と叫ぶ力強いシュプレヒコールが耳に残っています。
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　東京労組の定期大会で訪韓報告をすると、「韓国の労働運動のように闘いたいね」と仲間から声をかけられました。多国籍企業に対しともに闘えること、労使協調でない闘いが発展していること、韓国の労働運動に接して闘える確信と勇気を得ることができたと考えています。