労働新聞 2004年10月15日号 通信・投稿

今年の豊作に思う

宮城県 升沢 克哲

 間もなく台風22号が本州に近づいて来る。今年は9個も上陸して東北の秋田や青森の稲作や果樹にばく大な被害を及ぼし、多大な損害を与えた。
 農業は気候から非常に影響を受ける。昨年はまれにみる大冷害を受けたが、今年の宮城県の作況指数は9月25日の東北農政局発表で108と、全国でもトップクラスに入る豊作だった。
 しかし作柄が良くても、販売価格が安く大量の在庫があるために価格が安く、60キロあたり1万5000円である。このような価格では肥料、農業機械、労賃などを加算すると、少なくとも10ヘクタール以上の耕作がなければ稲作だけではやっていくことはできない。
 稲作だけでやっていけなければ、出稼ぎが多くなり、こうしてさらに農業後継者が減っていくのは当然だ。現在農業後継者が全国で2000人もいないとのこと。そして農業就農者の中心は60歳以上である。
 いったい国はこの現状をどう見ているのだ。農業指導者はどうなんだ。そして農民はどう考えているのだ。今こそ、農民一致団結して立ち上がろうではないか。

                    10月8日記


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