労働新聞 2004年9月5日号 通信・投稿

夏一時金は最低線をクリア

成果主義に反対し闘うぞ
変則勤務でクタクタだ

印刷労働者 渚 浩一郎

 今年の夏の異常な暑さには本当にまいりました。暑い中で、交代勤務をやらざるをえない労働者にとっては厳しいものがあります。
 景気が回復基調にあるとか新聞では報道されていますが、私の働いている職場の実態から見ればまったく別の世界のように見えます。不況の中で、まわってくる仕事は以前と比べて細かくなり、仕事量はそれほど増えていないのに煩雑(はんざつ)になっています。過当競争の中で単価も安くなり(団体交渉の席で会社は2割も下がり苦しいといっていますが、本当のところは分かりません)、会社にも一定の影響が出ているようです。
 夏の一時金闘争は、昨年より多少前進し、約2カ月で妥結しました。産別の中ではそれほど悪くはありませんが、賃金ベースが低いので、まあまあといったところです。変則勤務が導入され、きつい労働をこなしているので、最低でもこれくらいはと思っていましたので、執行部としては何とかクリアできたという感じです。
 春闘時に会社から「成果主義賃金導入」が提案され、水面下でいろいろと動きがあります。一時金交渉の中でも持ち出されましたが、今回はそれと切り離して交渉を進めてきました。
 社員数は決して多くはありませんが、若手が4割という職場にあって「仕事に応じた賃金」という攻撃は、ある程度組合員を惑わせています。執行部としては「年配者の賃金は長年働いてきた実績でもある」「子供の教育にも金がかかる」と、成果主義賃金反対の意思統一はできていますが、若手組合員の幻想や会社の宣伝に対してどう対処していくのか、学習会などできちんとしていかなければと思っています。
 組合は、参議院選挙で産別出身の候補者を支援しました。組合員数に応じた「後援会入会カード」に記入し、それを元に地区別名簿で電話かけをします。私は交代勤務なので昼間の時間帯に電話をかけました。留守宅が多いかと思っていましたが、以外と電話で話ができました。
 私たちの産別に参加している労働者が、交代勤務で働いている人が急増していることに驚かされました。候補者は当選しましたが、労働組合として選挙にどう取り組んでいくのか、悩みもあります。
 目を世界に向ければ、イラク戦争で米国はますます泥沼にはまっています。米国の大統領選挙も近づいてきましたが、だれが勝っても米帝国主義の戦争政策の変更を期待することはできません。それでもニューヨークで50万人の人びとが「ブッシュ反対」を掲げてデモ行進したことに、興奮をおぼえました。
 イラク民衆の武装抵抗闘争に羨望(せんぼう)の思いで連帯を感じながら、原油価格の上昇でガソリンの値上げが生活費を圧迫しつつあることに、落差を感じながら仕事をしています。


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