労働新聞 2004年8月5日号 通信・投稿
プロ野球合併議論
怒るで、しかし!
プロ野球はファンのものや
西川 やすし
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近鉄とオリックスが合併やて、どないなっとんねん。その上、もう1つ合併さして10チームで1リーグにするちゅう話が巷(ちまた)を駈けめぐっちょる。わしゃ反対や! プロ野球はファンのものやで、オーナーの私物ちゃうぞ。1リーグになったら後半戦の9位と10位の試合を誰が見に行くと思ってんねん。
古田はん、よう言うた!
ストライキも辞さずとは見上げた根性や。さすがは関西出身やな。東京のチームにいても浪速のど根性が生きてはる(ホンマは兵庫県出身やけどな)。
連合の笹森会長が全面支援を打ち上げてはるが、当然や。しかし、連合も人気取りに終わらんようにせなあかんよ。もし、プロ野球選手会がストライキに入ったら、同情する人もいるやろが、反発する人情なしもようけでるで。そんときに、断固として応援でけるか。もし、選手会がストをやったら、連帯ストをやらなあかん。連合傘下の組合だけじゃのうて、全労連、全労協にも呼びかけるんや。正念場やで。
わしも労働者やから労組には入っちょる。うちの組合は全労協やけど「1人ひとりのわがままを認め合う」というのが基本スタイルや。チョット変わってるやろ。しかし、たいがいの労働者のわがままちゅーんは、正当性のあるもんが多い。働きたいところで働きたいとか、休みを取りたいとか、できるだけ残業をしたくないとか。セクハラがイヤとか、だいたいは当たり前のことを言っているにすぎん。
ファンあってのプロ野球や。選手会が2リーグでやりたいと言うんはわがままちゃうで、正論や。それをナベツネオーナーは「選手の分際で」とか言いおった。あのオーナーは学生の頃マルクスをちょっとカジッタらしくて、時々「ヘーゲルがどうしたこうした」と得意になって言うらしいな。マル経言うんは労働者のためにあるんや。経営者の道楽ちゃうで。
米国式乗っ取りは困るで
ライブドアが近鉄を買いたいと名乗り出とるが、アンタ本気でバッファローズを経営する気でっか? 昔の日拓ホームみたいに10カ月で放り出したら承知せえへんで(古い話や)。そこんとこを張さん(張本勲氏)も心配しとった。
ライブドア言うんは、M&Aで大きゅうなった会社や。M&A言うたらカッコええみたいやが、つまりは乗っ取りやんけ。近鉄買うんもその感覚でやられたらかなわんな。
野球は米国から来たスポーツやけど、もう立派な日本の文化やで。米国式の乗っ取りの対象にはして欲しくはないわ。
もし、バッファローズを経営するんなら、ライブドアという社名を使わんと約束せえ! 「大阪バッファローズ」という正式な球団名にして、他の企業を経営に入れて安定的に大阪のファンに野球を提供するんなら任せてもええ。
うちの子はいま「ボーイズ・リーグ」で野球をやっとる。巨人の桑田が入っとったところや。大阪が本場やで。うちの子が大きゅうなるまで立派にバッファローズを育ててくれたら入団さしたる。
最後にな、古田はんにお願いがあんねん。
さっきはほめたけど、野球選手はそんなに給料もろていいんか? プロ野球チームがサッカーみたいに全国に広がらない原因は選手の人件費(一部のスターだけ)がえらい高いことと関係がありまへんか。プロスポーツが成立するのも労働者が毎日汗水たらして働いているからやということを肝に銘じてや。そういう気持ちがあってこそ労働組合の仲間でっせ。
さあて、硬い話は(どこが硬いねん!)これくらいにして、バッファローズの応援にでも行くか。こらノリ(中村紀洋)、給料分打たんかい!
ほな、さいなら。
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