労働新聞 2004年7月25日号 通信・投稿

労組が「イラク支援」を表明

どう考えてもおかしいぞ

国労組合員 塚田 明

 暑い日が続きますが、皆さん、お元気ですか。
 さて、先日の朝日新聞朝刊の地方版に「イラク復興に貢献しようと、JR西労組と国労西日本本部が組合員をイラクに派遣する準備を進めている」という記事が載っていました。私は「こりゃなんだ」「おかしい」と、怒り狂いました。
 昼、職場の組合事務所に行って「朝刊を見た」「何か西日本から電送でも入ってない?」「おかしいと思わん?」と聞きましたが、他の役員はとまどいを隠しませんでした。
 私は、夕方、西日本本部に電話を入れて、「どういうことか」と尋ねました。すると役員は、「今すぐということではないが、イラクの鉄道復旧のために、労働組合として支援を検討している」「国連主導の復興が行われるようになると支援したい」「ベトナムで鉄道を支援したように行いたい」等々、述べました。
 私は「それはおかしい。今のイラクの政府はだれもが認めるように米国がつくったカイライ政権であり、中央情報局(CIA)と関係が深い人物が首相となっている。鉄道の復旧ということは、カイライ政権を助けることになるので、それはおかしい」と言うと、役員は「鉄道は大量輸送機関で、物資輸送という意味でイラク国民のためになる」と言いました。
 私は「われわれ組合員が知らないことがポンとマスコミに載ったので、詳しいことを早急に知らせるべきだ」というと、役員は「それなら大会方針にでも書くか」とふざけたことを言ったので、私はカチンときました。それで、「ひと月もふた月も先の方針でなく、即各級下部機関に、事実経過も含めて知らせるべきだ」と言いました。
 どう考えても国労西日本は、おかしいと思う。 そもそもイラク問題をどう見るのか? まさに米帝国主義によるイラクへの侵略・植民地化であり、今のイラク政府はカイライそのものであり、それに対し、イラクの人びとは反米・自主独立で闘っているのです。
 こんな時に鉄道の「復旧」に国労が手を貸すということは、イラクの解放を目指して闘っている抵抗勢力に敵対し、米国帝国主義と小泉反動政権に手を貸す利敵行為であり、自衛隊の多国籍軍参加となんら変わらない。今国労がとるべきことは、イラクの抵抗勢力の反米・独立闘争を支持し闘うことです。
 私は最近まで、「自衛隊の撤退を」というプレートをつけて「出勤闘争」を行っていましたが、今は「ピースバッジ」をつけて出勤しています。
 国労西日本は共産党の影響力が非常に強いところだといわれていますが、今回の一件を見ても、やっぱり共産党はダメだなと思いました。今の情勢がわれわれに有利になっていることが分かっていないのです。
 米国のイラク侵略を支持した各国の政権党が、自国民の大きな抵抗にあっています。スペインは政権交代しましたし、英国、日本も政権が苦境に追い込まれています。今こそ、イラクの抵抗勢力を支援し、米国に追随する自国政府打倒の闘いを構築することが、労働組合としての役割と任務だと思います。


Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2004