労働新聞 2003年12月5日号 通信・投稿
自衛隊員の家族に不安高まる
基地の町から平和の声を
神奈川県横須賀市 鴨沢
浩二郎
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私の住む横須賀市は、戦前から有数の軍港として、戦後も朝鮮戦争やベトナム戦争と背中合わせに過ごしてきました。先月の29日、イラク北部で2人の日本人外交官が殺される事件が起きました。こうした事件が報道されると、ふだん忘れがちな基地や戦争、平和について考えさせられます。
中学時代の友人が自衛隊で働いていますので、時々話すことがあります。
海上自衛隊のAさんはアフガン戦争の時、インド洋にも出かけたことがあります。護衛艦なので「敵」から攻撃される危険性は少ないが、それでもイラク派兵に「不安感がある」と話しています。
陸上自衛隊のBさんの妻は、「政府が決めたことに反対はできないが、イラクへは行ってほしくない」「行きたくないのかなどど主人に聞くわけにもいきません」と、不安な思いを話してくれました。Cさんの妻も同じ思いでした。
こんな事件が起こっても政府は「テロに屈しない」と勇ましいかけ声をあげ、自衛隊をイラクに派遣することにこだわっています。小泉首相は地元横須賀市で、多くの自衛隊とその家族が反対の声を上げることもできずに、不安な毎日を過ごしていることを知っているのでしょうか。
そもそも今度の米国のイラク攻撃は、いくつもの問題がありました。何よりも国際世論を無視して勝手にフセイン政権を打倒したことです。戦争遂行でお金がかかるとなると、国連に金を出せ! と要求していますが、こんな身勝手はだれも許しません。小泉内閣の醜い対米屈服の姿勢が浮き彫りになっているだけです。
さらに問題なのは、これまで日本がまがりなりにも中東諸国と友好的であったものが、自衛隊のイラク派兵は米国といっしょに侵略戦争の側に立ち、敵対関係に大きく転換したのです。石油を外国に依存しなければやっていけないのに、どうするつもりでしょうか。
声を上げることもできない自衛隊とその家族、何よりも平和を願う多くの市民とともにイラク派兵反対の声を上げていきたいと思います。
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