労働新聞 2003年10月25日号 通信・投稿

差別に耐えてがんばる組合員

腹の中に会社への強い怒り
昼休みはきょうも組合員まわり

国労組合員 池辺 勝弘

 皆さん、お元気ですか。私は少し元気がありません。というのは、今の仕事にもやっと慣れ(1年前に配転)、1人前になり、職場の仲間にも慣れてきたところで、またまた職種変えです。私のような国労のヤヤコシイ活動家(?)は、1〜2年で仕事をクルクルと変えられますので、もうそろそろかなと思っていた矢先でした。
 まともな教育すらなく、管理者に教育やマニュアルを要求しても無視。苦労して、苦労して今の仕事を覚え、職場の仲間とも信頼関係が深まっていたのに。
 私も頭にきていたので、会社との団体交渉の場で現場管理者のやり方や会社施策を追及し、是正を約束させました。
 会社は、国労の中でも「気に入らない人間」には、徹底して皆が嫌がる仕事や、その人に合わない仕事をさせたり、クルクル仕事を変え、退職へと追い込んでいます。
 実際に多くの国労の仲間が55歳で退職していっていますし、連合系の組合員も「アホらしくてやっとれん。こんな会社辞めたい」と言っています。
 
■脱退して管理職になっていく元活動家たち

 また、国労に対しても組合員の目は厳しいものがあります。なぜなら組合員を引っ張ってきた役員・活動家が会社の攻撃(甘いワナ)にかかったり、展望をなくして、組合員を置き去りにして脱退し、つぎつぎに管理職となっているのです。
 脱退している「元活動家」は、元専従者、上部役員、地労委の申し立て人であったりで、そうそうたる活動家たちです。
 彼らは、かつて偉そうに「社会変革」を口にしていました。また、私の職場の人が、今は脱退して助役になっている「○○派」の活動家だった奴にオルグされたそうです。「オルグしといて、国労脱退で助役。許せない。あんな○○派なんか入らなくてよかった」と言っています。
 今も会社の不当労働行為、差別に耐え、黙ってがんばっている組合員こそ本物だと思います。私はここに依拠して闘っていきたい。

■共産党に、批判する資格はない

 先日、国労も全国大会がありました。その中で共産党の代議員は「考え方が違っても組織で決定したことは職場や地域で実践し、別行動はとるべきでない」と「一部闘争団」の行動を批判していますが、共産党にはそんな資格はない! と思います。
 私は国労の中でかつて総評運動を中心にやってきた者として、国労内の共産党が何をやってきたか十分知っています。総評運動=地域(県、地評)の動員等の指示をおろしても、共産党の支部は無視。それどころか統一労組懇運動に共産党支配支部を引き回し、妨害すらしてきました。また各級大会、機関で決定した政治闘争、政治カンパについても口汚くののしり、組合員をまどわし、組合の足を引っ張り、分断してきたのは、ほかならぬ共産党の国労役員ではなかったか。ほかにも数えあげればキリがない。
 この間国労は解雇撤回の闘いをめぐり「分裂状態」で、北海道では元本部書記長らが脱退して組織をつくろうとしています。われわれのように、下部で日々国労運動を担っている者にとっては、残念です。
  *  *  *
 私は昼食もそこそこに分会事務所へ行き、構内に散らばっている組合員のところをまわり、ニュースを渡したり、共済、労金の手続き、「苦情」を聞いたり、昼休みもありません。仕事でクタクタなので、まわるのをやめようかと思いますが、組合員の所へ行くと、お土産のまんじゅうをくれたり、皆喜んでくれます。だから疲れも吹っ飛びます。
 彼らは「活動家」でもなく、ふつうの組合員です。しかし、10数年の会社の差別、嫌がらせに耐えがんばっていますので、会社に対する怒りは人1倍腹の中に持っています。私は彼らに徹底して学び、依拠し、指導できる役員として、がんばりたいと思います。


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