労働新聞 2003年10月25日号 青年

ベトナム スタディツアーに参加して
大学生との交流の場をもつ

大学生 河 理美

 夏休みの1週間、学生でベトナム・スタディツアーに行ってきました。
 1日目、朝から関西空港に集まり、1日かけてホーチミン市に向かいました。全員そろい顔を合わせるのはこのとき初めてで、緊張と期待で出発。ホーチミン市に着いたころには緊張感も解け、みんなで興奮していました。機内から外に出ると、とたんに暑く、宿泊先までの移動中にバスから見えるバイクの3人乗り、4人乗りを前に、ベトナムに来たんだ! と実感しました。
 クラクションの鳴り響くベトナムの活気に驚きました。ハノイやホーチミン市を歩きましたが、店が隣り合わせに建ち並び、町は朝早くから動き出します。ベトナムの人の生活、活気をいたるところで感じました。
 また、1週間さまざまなベトナム料理を楽しみました。フォー、生春巻き、ライギョなどの魚料理、いろいろな種類のスープなどがあり、おいしかったです。また珍しいものでは、カエルのから揚げや、犬肉がありました。
 長い間フランスに植民地支配されてきた影響で、フランス料理の文化が入っています。だから朝はフォーも食べますが、フランスパンを食べることも珍しくありません。ほかにも建物の様式も影響を受けているそうです。日本の文化とは違うところが多く、本当におもしろかったです。


展示された戦闘機を見る参加者

★米国追い出したベトナム戦争
 
 そして、なんといってもベトナムは米国の侵略と闘ったベトナム戦争の歴史があります。建国の父と言われる故ホーチミン主席の像は、いたるところで見ることができました。数十年にわたってフランス、日本、米国の支配からの独立を指導してきたホーチミン氏が、ベトナムの人から信頼され、「ホーおじさん」と親しまれていることがよく分かりました。
 米国の軍事力は強大であってもそれにひるまず、自分たちの国の独立や民族の誇りにかけて闘い、勝利した結果は本当にすごいと思いました。ホーチミン市にあるクチトンネルに実際にもぐってみましたが、そのとき特にそれを実感しました。地道に穴を掘り、工夫をこらしてさまざまなワナを仕掛け、勝利することを信じ闘い抜いたことで、本当に勝つことができたのだと思います。
 軍事力から見れば、圧倒的に米国のほうが進んでいます。それでも、この戦争に勝ってベトナムの人びとが解放され、独立することができました。それを考えると、トンネルをもぐっていけばいくほど、何とも言えない気持ちになりました。ここまでして介入してきた米国の残虐さは本当に許せない。
 また、ハノイ外国語大学の学生とイラク戦争について話をすることが少しできました。話は私が、「日本はイラク戦争を支持したけどベトナムではどうだったんですか?」と聞いたことです。彼女は「ベトナムはイラク戦争は反対で、ニュースでもイラク戦争反対と政府はずっと流していました。ベトナム人は戦争が嫌いです。平和を望んでいます」と答えてくれました。
 私はこれを聞いて、ベトナム戦争もやはり強いられて、やらざるをえなくて起きた戦争なんだと感じ、このことはすごく印象的でした。私は「日本はイラク戦争を支持しました。今の日本の政治は米国との関係を重視しているけど、アジアとの関係をもっと重視すべきだと私は思っている」と話しました。
 この1週間ベトナムツアーでたくさんのことを学びました。博物館に展示されていた米国の戦闘機の解説をベトナム外務省の随行の方がしてくれていた時、「日本にもこういったものがありますか?」と聞かれました。
 日本には沖縄をはじめ在日米軍基地がたくさんあり、実戦に使えるものが山ほどあります。日本はまったく平和な国ではありません。イラク戦争を支持したり、自衛隊を派兵できるイラク特措法ができたり、どんどんと戦争への道へ向かっています。
 今後、アジアの国々と友好な関係を築くためには、私たち学生が日本が歩んできた歴史や、今の日本の政治について考える必要があると感じました。


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