労働新聞 2003年9月5日号 通信・投稿

34年の大冷害の再来か
東北地方の稲不作を憂う

宮城 升沢 克哲

 今日は約1週間ぶりに太陽が顔を出して、晴天の日になった。7月に入って太陽が顔を出した日はきわめてわずかだ。今年のように日照時間が少なく気温の低い日の多い年はめったにない。したがって農作物に及ぼす影響もきわめて甚大で、稲作の多い東北地方はその被害も最大である。
 稲の出穂期も平年よりかなり遅れ、毎年8月上旬には出穂期に入るのが、10日以上も遅れて15日から20日にも達したという。気象台でも梅雨明けもわからないくらいだと言っていた。
 出穂から50〜60日で稲刈りも始まるわけであるが、今年は果たしてその稲刈りの秋の季節がやってくるのか。
 1934年の年、私は桃生郡矢本町の村農会で第一線の技術員として、農業の若い指導員になっていた。県立農事試験場の新品種育成部から転任し、わずか1年間であったが34年の大冷害の状態を実際に見て、その対策や指導に苦労した。あの年は稲熱(いもち)病の大発生で、10アール当たり3、4俵くらいの収穫量であった。その当時の苦労を知っているのは、90歳以上の農村人だけだ。
                   8月22日記


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