労働新聞 2003年8月5日号 通信・投稿

社会保険天引きに怒り
俺のボーナス明細書
15年勤めてたったこれだけ

流通労働者 黒崎 孝夫

 暑中お見舞い申し上げます。
 梅雨時の湿った空気の職場に、例年どおり一時金の明細書が本社から届いた。事前に計算式と平均支給額が前年より2000円減とのお達しがあったので、期待はない。しかし、15年勤めて減ったのは初めてだ。最低のベースなのだから、増えて当然のはずだった。
 航空貨物業界の親会社に労務派遣する子会社に身をおいている。イラクに対する戦争や、SARS(新型肺炎)騒動での減便でかなり滞貨などが出たそうだ。この業種、国際情勢でもリスクを背負っているんだから立場をはっきり主張してもらいたいね。しりぬぐいを子会社、下請けに押しつけるのが、この世の常らしいから。
 明細の入った袋を配って回りハンコを押してもらう。主任手当4000円に含まれているオレの仕事だそうだ。
 ほどなく「社会保険料がこんなに引かれてるぜ」と、定年間近の先輩が見せにきた。この人、30年来入院している弟の面倒を見ている苦労人だ。「病院代、月々7万だったのが最近9万になってキツイわ」と言ってたっけ。
 

そもそも5月、同僚の1人に「手当の計算、ひとけた間違っちゃったから、その分来月の給料から6万円さっ引く」と言い、翌月には、日給月給なのに社員全員、21日を20日出勤で算出するテイタラク。こんな経理課をいただいていれば、疑心暗鬼になるのも当然。

 「今年、保険料率が改正だか改悪されて月給からじゃなくて、一時金からも持ってくらしいよ。ウチらみたいなボーナスあるかなしかの人びとにはあんまり影響はないと聞いたんだけどね」と言いつつも不安がよぎり、改めて自分の明細を見る。「手取り」が少ないような気もする。
 所内を探索すると、親会社の社員向けの「改定のお知らせ」を発見。
 Q&Aで「ボクは年174万円(ムム!)のボーナスですが、どうなりますか?」 答「15万程度ボーナスでの徴収が増えるでしょう」
 経理課への疑念はいったん保留。
 人のいいあの先輩は、お盆には田舎の病院に弟を見舞い、タバコ代やらなにやら、まとめて渡してくるという。予想以下の支給額に頭を悩ませていることだろう。
 ちなみに、私のボーナス、基本給×2.38カ月+手当といえば聞こえはいいが、基本給11万とんで500円では、ゴメンナサイというカンジ。


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