労働新聞 2003年6月25日号 通信・投稿

私の健康法(1)

片岡 健

 もともとが机に向かっての仕事柄だが、年中の忙しさに追われて運動らしきものはまったくといっていいほど、やっていなかった。これでは身体が老けていくばかりだと、65歳を過ぎたころから毎朝自己流の体操を始めた。今日まで5年は続いており、その効果も徐々に表れてきているので、現時点での健康法として記録を残すことにする。
 朝5時ごろにぼんやり目覚めてほどなく、布団の中で目はつぶったまま姿勢をただして、まずは足首の捻転から始める。つぎに臥(ふせ)たままゆっくり左右2回ずつ足踏み、続いて脚をまっすぐ伸ばして上にはね上げる。それから膝を曲げて逆V字に立て、片足ずつアキレス腱と踵(かかと)を思い切り伸ばす感じで上に向かって回転させる。つぎはチョウが羽を開閉する要領で、弾みをつけながら内股の筋肉を伸ばしてみる。このあと再び両足を伸ばして、両方の肘(ひじ)で身体を支え、掛け布団を軽く持ち上げながら左右に腰を捻転させる。ここまでが、パートワン。

■背骨の運動
 ここで着衣の乱れをいったん整える。白のバスロープなので、柔道で「マテ!」がかかって着衣を直す気分である。パートツーは、身体を伸ばしてソバ殻の枕と頭との間に両手を差し込み、指4本を立てて、頭の重力を利用してスナップの要領で首筋の中心や両側面を指圧する。ここをほぐしておくことは、クモ膜下出血の予防になるはず。次は右手を左肩にという具合にあてて、肩から背中の筋肉を左右交互にもみほぐす。
 このあと、枕を徐々に3センチほど背骨にそって腰の方にずり下げて、その姿勢で目玉の周辺をマッサージする。俗にいう眼の体操である。ソバ殻枕を視点に背骨を弓反りにさせる姿勢が気持ちがいい。さらにその状態で両肘を立てて指の運動。人差し指と薬指、中指、小指、親指の順に、指を伸ばしては指曲げを繰り返しながら、順番を間違えないようにスピードを上げていくことは、けっこう脳神経の刺激になる。枕は背骨の下から臍(へそ)の裏あたりまで下がっている。ここでのラストは、両腕を思い切り伸びをする感じで伸ばして、上半身だけ背中平泳ぎの動作をする。

■シンクロナイズの予感
 次はパートスリー。枕の上にお尻をのせた状態で、両手はまっすぐ下に伸ばして掌(てのひら)で煎餅布団を抑えながら、まず両脚を揃えて天井に向けて伸ばして数秒間停止する。名付けて「シンクロナイズドスイミングの予感」。音楽はないが場面は一転して、両脚を大きく開く運動、膝を曲げて自転車をこぐ運動、背中平泳ぎの下半身のカエル足運動、ふたたび両脚を揃えてシャクトリムシのように逆でんぐり返しをするそぶり、戻す脚を布団の上1、2センチ浮かして停止する「鉄棒のつり輪」もどきの運動。最後の両脚を揃えて数秒停止する動作は、ずばり腹筋の運動である。このあたりまでくると、息が切れ切れになってくるが、そこは布団の上、無理せずにときどき休んで呼吸を整える。   (つづく)


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