労働新聞 2003年6月25日号 通信・投稿

義教法堅持中央集会に参加して
義務教育の火を消すな

学校事務職 新島 里美

 中学校の事務職員をしています。6月10日の「義務教育法堅持緊急中央集会」に参加してきましたので、報告します。参加に当って各分会からは温かいエールをいただいたり、また私の分会からは餞別までいただきました。感激屋の私としては涙が出るほどうれしかったです。
 当日、朝早い飛行機に乗り東京の社会文化会館に向かったのですが、会場は動員規模の800人をはるかにこえる1100人の事務職員・栄養職員でひしめき、熱気みなぎる集会となりました。椅子が足りず、通路にしゃがみこんで聞いたほどでした。
 厳しい中央情勢の報告の後、各地出身議員への要請行動を行いました。その後日比谷公園までデモ行進をし、久しぶりに大きな声で「国庫負担制度を守れ!最後の最後まで闘うぞ!」などのシュプレヒコールを繰り返してきました。
 さて問題の義務教育費国庫負担制度ですが、まさに危機的状況にあるといわざるをえません。18日には教育費は地方に全額税源移譲と大きく報道されました。国が税源をやるから、あとは地方の責任でご自由にどうぞということでしょう。はっきりとした税源の明示もなく、事務職員の給与どころでなく、教職員全体の給与の保証もなくなったということです。3省合意を受けて問題が先送りされただけで、12月の予算編成時に一体どういうものがでてくるかまったく不安でなりません。まさに義教法はがけっぷちに立たされたといえます。税源移譲十割となれば地方自治体からも、PTAからも正面きって反対の声が出しづらくなります。巧妙に分断されてきているといわざるをえません。国は金は出さないが口は大きく出すという姿勢でしょう。
 そもそも義務教育費国庫負担法というのは、「国民すべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するために国が必要な経費を負担することにより教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的とする」ものなのです。国として責務があるのです。
 考えてみてください。学校は郵便局といっしょで全国津々浦々どこにでもあります。どんな山奥に行っても小さな学校がぽつんと立っていますよね。災害時の受け入れにもなっています。これは義務教育として国が定めているからこそなのです。
 最近、政府は「りそな銀行」に2兆円もの大金を投入しましたね。りそな銀行って何? うちの町では見たこともないですよ。大都市に行っても見るかどうか分からない銀行にですよ。りそな銀行って国立ですか? 一民間の銀行ではないですか。しかも2兆円ですよ。わが県の税収が5400億円ぐらいですからその4倍、わが市の一般会計が600億円ぐらいですから、その33倍、すごい金額ですよね。銀行を優遇して、国の根幹である教育費を削るなんて、日本の国そのものがおかしくなっているといわざるをえません。
 私たち事務職員のみならず教職員、公務員は18年度から予定される公務員制度改革、学校の統廃合問題、公設民営化構想など、本当にこれから厳しいことばかり待ちうけています。日本の義務教育の灯を消すことなく、私たちの生活を守っていくには声を上げ続ける以外ありません。団結してがんばりましょう。


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