労働新聞 2003年6月5日号 通信・投稿

保育料上がったら
やっていけない

保育園民営化に反対です

パート労働者 山内かおり

給料は託児所代に消える

 私には子供がいます。子供を保育園へ預けて働かなくてはなりません。でも、公立の保育園は待機児童でいっぱい…。民間の保育園は保育料が高くて、預けられません。私は親兄弟と離れて暮らしているので、身内に子供を預けて働くのは不可能です。
 私は2人の子供を連れて、何度も福祉保健センターへ行って、「保育園に入れないと働けない」と言いました。でも、「働いていないから、保育園へ入れない」と言われるのです。だから、私のように預けなければ働けない母子家庭よりも、共働きで親に子供を預けている人のほうが優先されてしまうのです。
 仕事があれば入れてもらえると思って一生懸命探したって、仕事なんてありません。子供を連れて職安へ行くと、子供を連れてこないように注意されます。
 託児所に子供を預けてようやく雇ってもらえたのは、時給800円のパートでした。私の収入と託児費用は同じくらいなので、生活は貯金でまかなわなくてはなりません。貯金がなくなった時、私たちはどうなるのだろうと夜も眠れず、子供に食事を与えても私はがまんして働きました。

やっと公立保育園に入れたのに…

 そんなある日、福祉保健センターから1本の電話がありました。空きができたので保育園へ入れるのです。でも、1人だけです。1人は公立の保育園へ預けて、1人は民間の託児所に預けて働く生活が始まりました。これでなんとか貯金に手をつけず生活できるようになったけど、送り迎えに時間がかかるようになって、夜は遅くなり、朝は早く起きなければならないので、子供たちは疲れるようでした。
 大人の私でも体力の限界を感じ始めたころ、保育園の園長先生から「空きができたので、いっしょの保育園へ通えますよ」と言われた時は、思わず涙が出てきました。
 公立の保育園だったら、管理栄養士の献立を調理師がつくっているし、決められた数の保育士がいるので安心です。
 それなのに、突然の保育園民営化です。こんな苦しい思いをして、ようやく保育園へ入れたと思ったのに、民営化では保育料が上がってしまうし、栄養のある給食も安全な保育もなくなってしまいます。
 私は眠れない夜も食事をがまんするのもイヤです。公立の保育園を増やさなければいけない状況なのに、なぜ今民営化なのでしょうか? 私は、公立保育園の民営化に反対します。


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