労働新聞 2003年3月5日号 通信・投稿

教力合わせて政治動かそう
熱意感じられない行政
失業者に冷淡な共産党

失業者 竹内芳郎

 私が失業者ネットワークの運動を知ったのは、去年の3月でした。ハローワーク前での、失業対策を求める署名活動で知りました。
 その後、去年の4月から9月まで会社勤務をしましたが、リストラで再び失業しました。
 失業中は生活のリズムがくるってしまい、気分も滅入ってしまいます。また失業給付金の規準がずいぶん厳しくなっており、求職も、以前失業していた時よりさらに困難になっている状況でした。
 そんな中、私の居住地の市議会を傍聴したり議事録を見てみると、市議会議員のほぼ全員が失業問題をまったくとりあげていませんでした。私は、このことにびっくりしました。野党の共産党は、「失業対策は小泉政治を変えないと、いくら運動を強めても実現できない」と言うばかりで、実際は現実の失業者の苦しみに冷淡で、軽視をしています。
 私は労働党の人たちに、「市長か議長に失業者の実態を知ってもらうために何か行動をしたい」と協力を要請しました。そして2月に、ハローワーク前の署名と宣伝に取り組みました。
 署名活動の最初には、どう話しかけていったら良いかとまどいがありましたが、だんだんと署名をしてくれる人が増えてきて、話し込んでいく人も何人もいました。50代の製造業で働いていた男性は、「九州から出てきて10年になるが、とにかく仕事がほしい。知事も市長も自分たちと離れたところにいるようだ」と言い、市への交渉にも来てくれることを約束してくれました。
 私たちは2月に、市長と議長宛に失業対策を求める要請を行い、失業者の声をぶつけました。交渉の中で、市の失業対策はきわめて不十分なことがわかりました。
 マスコミの調べでは、全国自治体の約25%が、国の基金事業に加えて、市町村独自の雇用対策を行っているようです。しかし、私の住む市は、国や県の方針をそのまま実施しているだけで、この厳しい雇用状況を改善しようとの熱意が、あまりにも薄い。
 またわずかな額とはいえ、すでに国の交付金による対策事業が昨年度から実施されていますが、その進み具合を市民に積極的に伝え、内容も豊富なものにしていきたいとの姿勢も感じられませんでした。
 月末から始まる市議会で、失業対策に関してどのような議論が行われるのか注目しつつ、失業対策を求める声を、もっと高めていく必要があることを強く感じました。
 失業者はさまざまに世間からは冷たい目で見られます。仕事をしていた時にはあった見合い話もとんとなくなったり、以前相談に行った労働組合の人からも、時に、はれものを扱うような目で見られたこともありました。「失業者は社会のクズ」と、つい、思い込みがちですが、私は「失業者であっても主権者の一人なんだ」とつとめて思うようにしています。
 市と交渉する中で、「みんなで力を合わせれば政治を動かし、自分たちの生活も確保できるのではないか」と、改めて感じるようになりました。
 この地での失業者ネットワークの運動は始まったばかりですが、行政が無視できないほどの影響力を持てるように、がんばっていきます。

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