労働新聞 2002年12月5日号 通信・投稿

職場は合理化のデパート

春闘のたびに労働強化
労組は組合精神を貫け

バス運転手 森井 司

 私は路線バスの運転手で、労働組合は私鉄総連(PRU)加盟です。近年、私たちの職場は経済不況の長期化と規制緩和などを口実にリストラ「合理化」の嵐が吹き荒れて、戦後私たち私鉄の労働者が血と汗で闘いとってきた労働条件が1つひとつ改悪され、奪われています。
 特にバス部門に対する「合理化」の攻撃は、鉄道部門より激しく、もうこれ以上「合理化」するところがないというほどのすさまじいもので、「合理化」のデパートのようです。
 最近の春闘では、賃上げと引き換えに「合理化」を受け入れることが当たり前となり、賃上げが真の賃上げにならず、逆に春闘のたびに労働強化が進んでいます。
 96年4月に北九州市内の高速道路を走行していた路線バスの運転手が運転中に死亡するというショッキングな事件がありましたが、私たちも、もう人ごととはいえない状況になってきています。
 リストラ「合理化」は、労働者の健康を破壊し、命を奪い、その家族までも悲しみのどん底に突き落とし、公共交通の安全を脅かすだけでなく、多くの人命が失われる大事故にもつながることです。
 私たち労働者は、労働基準法や労働安全衛生法などで、一応は賃金と安全、健康などを守るとともに快適な職場環境の形成と促進を約束されていますが、現状のような劣悪な労働環境になっているのは、なんといってもそれを担う労働組合の弱体化・右傾化が一番の原因だと思うのです。
 これらを打破し、運動を前進させるには、まず労働組合が組合精神を貫くことと、組合民主主義を順守することができる組織に再構築することがいちばん大事なことであると、私は思う。「連合の意識改革なくして、われわれの未来はない!」


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