労働新聞 2002年11月25日号 通信・投稿

働いた分の給料よこせ

サービス残業、給料カット…
みんなカッカきている

製紙工場労働者 小田倉 仁

 私は製紙工場で製品の品質管理の仕事をしている、50歳代の労働者です。
 工場は、これまで何回かの吸収・合併を繰り返し、最近、大手の製紙会社の傘下に入りました。生き残りのために他社と比較して、1人当たりの生産量、賃金などを決め、労働強化が進められています。
 まず、新規採用はここ何年かなく、定年者の補充は協力会社や嘱託社員で行われています。
 また、原材料費の値上がりのため、極限までコストダウンを進めていかねばなりません。ここにきて賃金抑制のため、残業ゼロを目標にして働くことを強いられています。どうしても残業が生じたら、その分、フレックスタイムで別の日に早く帰れることになっていますが、忙しくてとうとう帰れず、月末は帳面上は帰ったことにして、残業分を消しています。結局、サービス残業となっています。
 残業ゼロで1人当たり月5万円ぐらい賃金が減っています。職場によっては、フレックスタイムで早く帰れる人もいますが、残業ゼロの導入の不満は全工場で噴きあがっています。本当にみんなカッカきています。
 会社側の組合への説明では、フレックスタイム制は不満が生じないよう、管理者が指導することになっていますが、ほとんど本人任せです。
 工場内の施設・製造部門はある程度残業が認められていますが、他の部門は残業ゼロが目標となっています。私の職場では、どうしても消化できない場合は、残業として記入することにしています。管理職からのクレームはありますが、フレックスタイムが取れなかった理由を述べることにしています。
 頼りにならない組合に対しても、どれだけ残業したか数字を残して、「残業しなければならない職場は配慮すべき」「労働密度の高い職場は人員配置を見直してもらうべきだ」などと、職場の仲間たちといっしょに申し入れをしています。
 まずは、サービス残業はやめ、当たり前の超過勤務時間を出すことにしました。
 腹が立つことも多いですが、なんとかしたいものです。


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