労働新聞 2002年10月5日号 通信

地域連合が河川敷を清掃
ボランティアが労組の仕事?
会社と堂々と闘おう

印刷工場労働者 中島 竜也

変則勤務導入で疲れとれず

 長引く不況の下で、職場でも変則勤務が導入され、生活のリズムが少しずつ変わってきました。私の働く職場は印刷業界では、中小の部類に入りますが、利益確保のために経営側はさまざまな試みで収益を上げようと必死です。
 会社の機械を休みなく動かすこと、これが収益を上げるためのもっとも手短な方法ですが、働く者にとってはたまりません。以前だったら、休日が出勤であればそれなりの手当つきました。最近導入されたシステムは、土日に関係なくフル稼働となりました。変則勤務となって、土日出勤を交替でやりくりしていますが、少人数の職場なので日程調整もたいへんです。
 仕事の中身も、以前のように一定量の仕事があった時と比べて、仕事量が同じでもかなり細分化され、手間もかかります。年のせいばかりではないと思いますが、疲れがとれにくくなっています。
 変則勤務になってから、残業手当が多少増えたといっても、定昇、ベアなしですから、仕事のきつさに比べて不満が残ります。しかし、役員や管理職の賃金カットもあり、職場の中には「リストラがないだけましか」といった醒めた意見もあります。

「企業あっての労組」脱却を

 最近、私たちが参加する地域連合の取り組みがありました。この地域を流れる河川敷のゴミ拾いです。産別の事情もあり、割増動員の要請にこたえて参加しました。参加者が各自ゴミ袋を持ってゴミ拾いをやっただけで、昼過ぎにそれぞれ解散しました。
 なんのためにゴミ拾いをやっているのか説明もない。もっとも、ごみ拾いが労働運動の活性化に結びつくわけでもないので、説明するほうもたいへんだとは思うのですが。
 それにしても、地域連合の取り組みといえば、潮干狩りとスポーツ交流大会といったことで、労働者の連帯感をつくり出すこととはかけ離れたことばかりです。組合役員をやっているのでやむなく参加していますが、知り合いの他組合の役員も同感で、変なところで連帯感が生まれたのが唯一の成果では気が重くなります。
 雪印から日本ハム、東電や東京ドームと企業の不祥事件が後を絶ちません。こうした中で、内部告発者が不利益を被らない法整備が進められているようです。民主党などは「内部告発者保護法」を準備しているようです。
 内部告発とはいかにも暗いイメージで抵抗があります。こんなことをしなくとも、労働組合がもっと堂々と企業の不正を暴き出して闘うことが大事だと思います。企業あっての労働組合という考え方が、根本的に問われているのではないでしょうか。


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