労働新聞 2002年9月5日号 通信・投稿・文化

農民組織は総決起しよう

苦難をどう乗り越えるか

 

仙台市 種苗業 升沢 克哲

 

若者の姿少なくなった農村

 去る8月21日、仙台の国際センターにて、コメの安定供給、確保、安全安心な食料農業政策の確立のために、宮城県農業者総決起大会が、県内全地域から約1000人が参加して開催された。 農民諸君の訴えがやがて政府を動かし、日本農業を守る政策が成立することを希望する。
 今や農村を歩いてみると、若者の姿がきわめて少なくなった。田の草刈りはほとんど年寄りがやっている。また、畑作地帯をまわってみても、これも若者の姿がほとんど見えない。野菜の収穫作業は中年風の農家の人が多い。間もなく稲刈りも始まるが、機械化されてしまっている。
 今の農村には若者が少ないことに驚く。すなわち、後継者が不足しているということだ。コメの値段が安く、かつて米価闘争を続けた時代は60キロあたり2万円以上したが、現在は1万5000円。さらにコメの自由販売の時代で余剰米が多い時代にコメの販売にも苦労が絶えない。
 コメ作だけでは生活できず、大部分は兼業農家だ。どうやってこの苦難を乗り越えるか。いまこそ農民が団結して、日本農業を守るために政府に強力に働きかけましょう。 (8月22日記)

無登録農薬販売および使用事件について

 山形県内の業者による無登録農薬販売事件に端を発したダイホルタン(発ガン性が疑われる殺菌剤)が、農薬販売の資格のない商店によって知識のない農家に販売されて事件を拡大したことは、誠に残念である。販売した業者は山形県から県外にも販売を拡大している。

 本県でも果樹や園芸地帯にも波及していることは、ますます残念である。毒劇物販売には特に販売業者はもちろんのこと、農家によく説明指導して販売する義務があるので、無登録農薬業者が軽々しく販売して農家に迷惑をかけた責任は、いっそう罪が重いことになる。
 しかも、96年からすでに5年以上にもわたって使用していることになる。このような農薬を使用していたことは、末端の農業指導者は分からなかったのか、その点も解明する必要がある。
 業者のいうことを聞いて、農家も使用したことは食物を販売する農民にも責任がある。よく勉強し、試験場などにもよく問い合わせて勉強し、その上で新農薬を使用することがきわめて大切である。 (8月24日記)


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