労働新聞 2002年9月5日号 通信・投稿・文化

失業者に早く明るい光を
久しぶりにストレス解消

いい天気に恵まれて交流
失業者ネットでバーベキュー

長崎・失業者 寺田 久幸

 

 先日、3年ぶりにバーベキューをやりました。もちろん屋外でした。海辺でのバーベキュー大会で日差しが少しだけ強く感じる、とても天気がいい日でした。
 長崎で失業者ネットワークの立ち上げにかかわって1カ月、初めてのイベントの開催でした。準備にかけたのは2週間ほどで、あわただしい中で迎えた当日でした。
 その日、前日までのハローワーク前での呼びかけで集まった9人の失業者を前に、どことなくお祭り気分だったのが吹き飛んでしまいました。実は、こっちも同じ失業者なのに、こうして失業者とちゃんと向き合うのは初めてだったのです。「やはり失業者というのは、みんなどこかで孤独なんだろうな」と思いつつ、催しはスタートしました。
 煙に悩まされながらもバーベキューコンロを囲んで、皆さんと話したことは、「本当に仕事がしたいんです。でも仕事がないんです。選り好みしているわけじゃないんです。仕事がないんです。雇ってもらえないんです」という叫びにも似た言葉を聞いて、同じ失業者でありながら何も言えなかった自分が、何となく情けなく感じていました。  

立ち上げりはじめる失業者(6月14日、東京)

話をしていて、失業率の心配はみんなしているのに、失業者の心配はだれもしていないのではと、改めて現実の刃(やいば)を感じることになりました。
 でも、皆さん、本当に多種多様でしたね。歌う人、ひたすら泳ぐ人、率先して火をおこした人、野菜を切った人、日陰を探し求め続けた人……見てるだけで楽しかったです。少しでもストレスの解消に役立ったのでしょうか?
 皆さんの感想はどうだったのでしょう?
 でも、本当に晴れてよかったです。私も「雨男」といわれ続けて早ウン10年、久しぶりの快晴でのイベントとなりました。でも準備中はほとんどが雨だったんです。実はこの日も台風が接近していたのですが、長崎をそれたんです。
 これからも多くの失業者の声を集めて「働きたくても働けない」現実を訴え続けたいと思います。そして、失業者ネットワークは、これから設立大会を迎えることになります。おそらく、失業者はまだ増えていくのでしょう。失業率はきっと下がることはないでしょう。
 でも、今日のような明るい日差しが、1日も早く私たち失業者に差し込むようにと改めて思い、帰路につきました。


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