20020605

失業者の手記

私とネットワークの出会い
6・14国会行動の成功を!
みんなの力で職場取り戻そう

平林 宗幸


 ハローワークの前で、最初に失業者ネットワークの人びとが署名活動をやっているのを見たときは、「どこの組合がやっているのか知らないが、署名をしても仕事は見つからないさ」と通り過ぎていました。その後も署名をやっていましたが、しばらく見ていると失業者の何人もの人が署名していました。
 ネットワークの皆さんはみんな熱心に「6月14日国会へ行こう」と声をかけていました。電柱にも「失業者は立ち上がる、国会へ」というポスターが張ってあるのを見て、自分でも協力しようと思いました。
 メンバーの1人に手伝いますと声をかけると、「手伝ってもらえればうれしいわ」と大変喜んでくれました。署名用の板をもってやり始めましたが、最初は無我夢中でした。しばらくやっていると、署名してくれる人と通り過ぎて行ってしまう人が何となく予測できるようになりました。
 1人ひとりに声をかけると「署名したところで仕事が出るわけがない」「俺はもう年だから」と協力してくれない人も多いなぁと感じました。しかし、「国会のほうには行けないが、俺の分も、私の分もがんばって」と言葉をかけてくれる失業者。失業者ネットワークの仲間ががんばっているのを見て、足の痛みもありますが、署名活動に力が入ります。

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 私は、1960年東北地方の小さな町から夢と希望をいだいて、集団就職で東京に出てきました。しかし、私のこれまでの道のりは自分の考えと力のなさに座礁したように、転々と職を変えてきました。見知らぬ土地歩きを重ね、今日まで社会の裏勉強とでもいうか、寄り道をしてきました。一人の人間として考えたとき何を思う。それは社会の中で1人旅のような気がしてなりません。
 職場を求めて職安から紹介された会社の寮で生活することを何度か繰り返しました。しかし、職安の紹介では賃金の不払いがあったり、会社の業務内容が全然違っていたりで、形式的にやっているのではないかと思います。
 手配師と呼ばれる連中の手で仕事につくと、搾取が多く、本当にひどいものです。職人・職工に対しては社員の半分程度の賃金だったり、契約の通りの仕事がなければ労働者に嫌がらせをして職場や寮から追い出したりします。

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 健康で働きたい人、仕事を求めて職安にやってくる人がたくさんいます。公園や河川敷での生活を余儀なくさせられているホームレスと呼ばれる人びと。学卒での仕事がない人のことを厚生労働大臣は知っているのか。石頭の国会議員や小泉首相に任せていてはだめだと思います。
 仕事が決まらず、不安定な毎日ですが6月14日の国会行動までは仕事探しもありますが、署名活動を中心にしようと思っています。1人の力は弱くても、多くの失業者の協力でネットワークをもとにがんばって前進したいと思います。われわれの力で職場を取り戻そう、多くの仲間と共に国会へ!
 六・一四を成功させようという思いでいっぱいです。もう少し生活を安定させ、今後の人生を失業者ネットワークの運動につぎ込みたいと思っています。