20020425

文化 韓国の歌謡グループ「コッタジ」
労働者の希望と闘いを歌うす


 韓国の民衆歌謡グループ「コッタジ」は、労働者の生活と希望と闘いを歌う。80年代後半の韓国の民主化運動の中で生まれ、民衆の中で育ってきた。5回来日し、歌を通じ日本の労働者との交流を深めている。
 「コッタジ」とは、野原のどこにでも咲いている野の花の群生のこと。名前のいわれについて、「まわりの他の草たちと共に調和して咲いている花々は、私たち民衆の生きざまと団結を意味している」という。
 韓国経済は97年のアジア経済危機以降、急速に悪化した。国際通貨基金(IMF)の管理下におかれ、強制的なリストラ、整理解雇などが続き、いまも電力やガスなどの民営化攻撃が続いている。
 こうした中で、韓国の労働者は激しい闘いを繰り広げており、「コッタジ」の歌声は、「希望の歌」として、闘う労働者を力強く励まし続けている。
 また、「コッタジ」は労働者だけでなくすべての民衆が、消費的で享楽的な文化ではなく、生きている文化を共有できるよう努力している。彼らの歌のテーマは、日本の植民地支配に対する批判、朝鮮の統一など、社会全体にも及んでいる。
 彼らの歌はメッセージが鮮明で、力強い決意にあふれている。そのメッセージは国境を超えて、私たちの心にも響いてくる。メーデーには韓国で、彼らの歌声が力強くこだましていることだろう。「コッタジ」の歌をいくつか紹介する。


●岩のように●
 岩のように生きてみよう
 激しい雨風が吹き荒れても
 どんな誘惑の手にも
 揺らがないように
 岩のように生きてみよう
 風に揺れ動くのは 根が浅い葦だけ
 大地に深く食い込む岩は
 不屈に立っている
 私たち みんなが 絶望に屈せず
 試練の中で 自分を奮い立たせれば
 やがてくる 解放の世の 礎となる
 岩のように生きてみよう

●明日がくれば●
 振り返ってみれば過ぎし日は
 いつも喜びだけではなかったけれど
 後悔せずに生きてきた日々の 誇らかな記憶
 明日が来れば 笑いながら振り返るだろう
 その日まで ほどくまい われらの固く組んだ手を
 決してたやすくはないだろう
 ときには寂しく 時には悲しいけれど
 真の愛情は 試練の中で確かめられる
 この暗闇(くらやみ)が晴れ 明日がくれば
 陽光のように明るく笑ってまた会おう

●反撃●
 肩を組んで胸をそらせ もう二度とウソの約束にだまされるな
 こぶしを握って喚声をあげろ
 本当の自由は握りしめた両の手の中
 富める者の欲望の中に崩れゆく人生をみよ
 いつになったらやつらは満足するのか
 反撃! 少しずつ遠ざかっていくわれらの幸せのために
 反撃! 少しずつ奪われていくわれらの権利のために
 反撃! 少しずつ遠ざかっていく われらの幸せのために
 反撃! 少しずつ奪われていく われらの血と汗のために

●タンポポのように●
 タンポポのように生きるんだ
 この胸に刻まれた熱い思い
 どんなに踏みつけにされようとも
 タンポポのように
 冷たく厳しいこの世で 行かねばならぬ闘争の道
 体をはって生きていかねばタンポポのように
 特別でなくとも とりわけ輝いていなくても
 だだっ広い原っぱに しっかりと根をはって
 思いのままに花ひらく タンポポよ
 ああ タンポポよ 熱き心よ
 数知れぬ花の種となり
 ああ 解放の春を呼ぶ タンポポの燃える魂で