20020415

赤旗立てて、いざ闘いへ…
闘った組合員に誇りが
臨時職員の解雇撤回かち取る

福祉施設労働者 高木 康志


 福祉施設で働いています。労働新聞936号(3月25日号)の通信で報告していた通り、最近職場で臨時職員の1人が契約更新に法人事務局に行った際、「今回の契約更新を最後に契約を打ち切る」むね、通告されていた問題で進展がありましたので、報告したいと思います。
 組合では、この話を聞き直ちに抗議し、「なぜ働く意思がある職員を解雇するのか」理由を明らかにするよう要求しました。当局回答は「施設に不適格な職員だから」と言うのみで、どんなところが不適格なのか正しましたが、その内容は明らかにしませんでした。
 そして組合では、今回のような問題を放置するようでは労働組合の存在価値が問われるとして(現在は施設職員の中では過半数も組織されていない組合ですが)、労働者の首切り反対を掲げて、闘うことを決定しました。そしてまず闘う意思を内外に示すため赤旗を立てました。
 ところが、さらに闘いを強めようとしていた矢先、別の問題での交渉の席上、当局労務担当理事は契約更新打ち切りを撤回すると表明しました。そして、「今回の契約更新を最後にする」と記入した雇用契約書を破り捨てました。 さらに「今後、働く意思のある臨時職員を特別の問題がない限り雇用を打ち切ることはない」との回答を得ることができました。解雇撤回をかち取ったのです。私たちはいったん赤旗を撤収することにしました。
 また、頭に来て契約満了を待たずに退職届けを提出していた臨時職員には、退職届を撤回するよう指示しました。今回、不適格な職員としてレッテルをはられた臨時職員は、現在元気に働いていますし、組合に感謝しています。また今回の闘いを通じて組合員の中にも組合員としての誇りが生まれたことがよかったと思います。
 現在組合では、労務担当理事の発言が以降の臨時職員の雇用問題としても重要な発言であったため、この発言について労使で記録に残すため、確認書を作成し当局に提出しているところです。
 また、今回の問題をできるだけ職場で広めることで、臨時職員の組織化にも結びつけていき、労働条件の改善を進めたいと思っています。
 少数組合でも労働者の役に立つ活動を行えば、支持が広がるということが分かりました。やがては組合員の拡大にもつながると思います。職場で最も劣悪な条件で職場を支えている臨時職員の要求を掲げて闘うことは、とりわけ重要だと感じています。