20020305

02春闘

メーカーの不祥事に泣く下請け 生活守るためふんばるぞ

自動車部品工場 岡本 信吾


 自動車産業の中小末端の企業で働く者にとって、たいへん厳しい状況が続いています。というのも、一昨年秋にメーカーのリコール隠しが発覚して以来、長期に受注が低迷しているからです。
 昨年夏にはメーカーは工場を閉鎖して乗り切ろうとしましたが、そのあおりをもろに受けて四苦八苦しているのが部品メーカーです。メーカーの不祥事に泣かされるのは、雪印食品の例を見るまでもなく、いつも弱い立場にある人たちです。
 私のところもご多聞にもれず、私の勤める会社を除いて、系列の会社がすべてつぶされたというのが現状です。私たちはその犠牲の上に立って仕事をしているのです。どうすることもできませんが、忘れてはならないことだと思います。
 だが、それは「いつまでも仕事がある」という保証ではまったくありません。親会社が海外展開を強力に進めようとしているからです。新しく受注しても、海外で生産ということがよくあります。
 また、今年に入ってから親会社では50歳以上の希望退職を募ってきました。親会社の労働組合は企業内組合であり、ほとんど抵抗することもなく受け入れているようです。50代の人たちは、会社の一番しんどい時を支えてきた世代でありながら、売り上げが減少しているということで合理化の対象となり、どこ行くあてもなく会社を去らざるをえません。
 私の職場へこの波がいつ押し寄せてくるのは分かりませんが、荒波に難破せぬようにと考えています。
 さて、厳しい、厳しいといわれている2002年の賃上げですが、この1年間の生産状況と今年の年間受注予想を見てみると、賃上げどころではないと思いこんでしまう組合員もいます。しかし、ここは生活を第1に考えて、ふんばっていきたいと考えています。闘う前に白旗を揚げていたのでは、雇用の確保どころではなくなります。
 また、今では町内で唯一の民間組合となった当組合は、未組織の人たちに対するアピールも含めて、がんばっていきたいと思います。