20020225

役員に同僚と共に抗議

一人だけ研修費が出ない?! 泣き寝入りはいやです

日本語学校研修生 村越 芳美


 4月から日本語学校で教員として働き始めます。1月から研修に行っています。一般的に企業が新卒者を採用前に研修する際、ある程度研修費が出ると思います。この日本語学校では、研修生に月額8万円が支給されます。
 研修生とはいえ、自活している社会人です。生活するには決して十分とはいえません。ほとんどの人は毎日9時から5時まで研修した後、アルバイトをして不足分を補っています。しかし学校側は「研修させてやっているのだから、こっちが研修費をもらいたいぐらいだ」という考えで、先輩の先生方にしたらわずかな金額でも学校が支給したというのは、かなり驚くべきことのようです。
 私も待遇については研修を受けることが決まった段階で聞いて了承済みでしたし、今でも不服を申し立てる気はありません。
 しかし、もらえると聞いていたものが、実はまったくなかったとなれば話は別です。研修生の1人に大学4年生の女性がいますが、彼女だけ研修費が出ないことが後になって分かったのです。理由は「彼女は大学教授の推薦で入ったので、一般公募で審査を経て採用した人とは待遇が異なる」。さらに「学生を受け入れたのは初めてで、処置があいまいな状態で伝わってしまった」というものでした。
 こんな理由を聞いても、煙に巻かれた感じです。どんな経緯があったにせよ、職員証を与え、同じ勤務条件で同じ時間帯を拘束し、欠勤する時は届けさせるなど職員としての義務を課している以上は、相応のペイがあるべきだと思うのです。
 一応、彼女は学校の役員にこのトラブルを訴えました。彼女から怒りのメールをもらった私も同席して、書類上で契約したわけではないから事実が透明ではないこと(だれが言った、言わないの水かけ論ではどこかの省庁と同じです)、今後もこんなことがあれば雇用される側としては安心できないし、組織に対する信用度にも響くと伝えました。
 訴えを聞いた主任は、権限もないのでしょうが「分かりました」というだけでした。いくら議論をしても現状はなかなか変わらないでしょう。彼女もそうだからといってアクションを起こす気はないと言っています。結局何も変えることができない自分が本当に悔しいです。
 これからも理不尽なことがあるかもしれませんが、自分たちの権利は自分たちの力で守るしかないということがよく分かりました。黙ったまま泣き寝入りしないですむ職場環境にしたいものです。いっしょに訴えに行って、言うべきことを言ってきたことは、その第1歩になったと思います。