20011115

アフガン空爆反対、自衛隊参戦反対!

各地で青年の行動広がる


 「報復戦争」を叫ぶ米ブッシュ政権によるアフガニスタン空爆が始まって一カ月が経過した。アメリカの戦争が泥沼化の様相を深めている中、小泉政権は米軍支援のため、ついに自衛隊を派兵した。このような事態に対して、青年、学生は、全国各地でさまざまな反対の行動を開始した。運動はまだ始まったばかりだが、平和を求める熱意と行動力にあふれている。新しい運動の芽は着実に広がろうとしている。

学生200人がデモ
四条河原町でダイ・イン
京都・正村 浩介

 京都市内で十月二十八日、、大学生などの若者が中心となった「アフガニスタンへの戦争と日本の戦争協力に反対する集会とデモンストレーション」が行われた。
 この集会は、京都大、京都精華大の学生などが呼びかけ、当日は二百人近くが参加、この問題への若者の高い関心と、戦争反対の強い意思を表した。
 京都大学では、米軍のアフガン空爆開始以来、これに反対する学生有志によるハンストが闘われていた。
 今回の集会は、このハンストを応援する学生たちから出された、社会にむけて「何か戦争反対の意思を表そう」という声が発端となった。学生たちは、デモに向けて学内に意思表示の呼びかけ、ポスターを張りだし、学習会を行うなどして準備を進めてきた。
 当日、参加者は市内三条大橋下の河川敷に集合、デモの準備やアピールを行った後、四条河原町までデモを行った。デモ隊は太鼓を鳴らしたり、スピーカーから音楽を流したり、奇抜な服装をしたりなど、参加者それぞれがさまざまに工夫を凝らしたアピールが行われた。行動には、中東からの留学生の姿も見られた。
 休日でにぎわう解散地点の四条河原町では、急きょダイ・インが行われ、多くの観光客など街頭の人びとの強い注目を浴びていた。
 行動を準備した学生の一人は、「今回のデモには、いわゆる『活動家』以外の、初めてデモに参加したような人が多くいた」、「米国の戦争に対する率直な反感・怒りが、とにかく何かやってみようと、行動につながったのではないか」と、その反響の大きさを語ってくれた。

7割が自衛隊派兵に反対
学園祭で展示とアンケート
東京・大学生・木村 元雄

 十一月初旬の二日間、私の通う大学の学園祭で、「ベトナムスタディツアー報告と日本の外交政策を考える」展示企画を行いました。企画したのは日本アジア学生交流センターのベトナム・スタディツアーに参加した学生の有志。ベトナム交流で考えたアジアとの共生の必要さ、そのための日本の進むべき進路、という問題意識から、最近のアフガン戦争と自衛隊の派兵問題はどうしても取り組まなければならないテーマでした。
 企画は、ベトナム報告会とあわせて、自主性のない日本外交の問題点と、対米追随を競い合うさまざまな政治家、政党の見解を整理、紹介した展示発表と、米軍支援法のさまざまな危険性、問題点を暴露したパンフレット配布、アンケート活動などでした。ベトナムうどん「フォー」の屋台もなかなか好評で、二百人を超す入場者があり、活発な討論も行われました。
 アンケートでは「あなたは米国のアフガン空爆を日本の自衛隊が支援することに賛成ですか?」の問いかけに、約七割が「反対」を表明。学生の態度は鮮明でした。
 寄せられた意見では、「テロが起こる原因に、米国の中東政策を位置づけるのは同感」「アフガン攻撃に対する日本のあり方がよくわかって、たいへん参考になった」「各政党の見解が分かりやすく、またほとんど期待がもてないことがよく分かった」「いつまでも米国のしっぽをくわえたままだと、日本はダメになる。経済も同様! アジアともっと仲良くしなければならない」「支援方法はいくらでもある。自衛隊を出すのは間違っている。戦争の苦しみをよく知っているのは私たち日本人ではないか」などが指摘されていました。
 自主性のないわが国外交に対する学生の関心の高さ、あるいは怒りの増大を感じさせるものでした。また「学生が自分と同意見を持っていたので安心した。がんばってください」(社会人の方)との応援メッセージもあり、大いに勇気づけられました。
 米国による攻撃は終結の見通しもなく、アフガンの人びとを苦しめるだけのものであり、報復戦争とそれへの自衛隊による支援は、わが国の進路を大きく誤らせるもので断じて容認できません。私たちは今後も継続して学生に問題を投げかけていきたいし、さまざまな行動に参加していきたい。それでこそ、ベトナムツアーでの経験も真に生きてくると思っています。

飢餓に苦しむアフガン民衆を救おう
「停戦」求めて署名活動
愛知・大学生・南 由子

 アメリカによるアフガニスタン空爆が始まり、すでに一カ月がたとうとしています。すでにアフガニスタンは厳しい冬にさしかかっています。私は、空爆の恐怖に加え、深刻な飢えと寒さに直面する多くの民衆に、すぐに食料やその他の支援物資を運び込むための「一時停戦」を呼びかける運動を始めました。
 空爆の激化で、国連機関や非政府組織(NGO)による支援活動も困難をきわめています。本格的な冬が到来するまでに、早くこの問題をなんとかしなければ、ぼう大な数のアフガニスタン民衆が死線をさまようことになります。私はこのことを訴え、何らかの行動を起す必要を感じていました。
 しかし、いざ行動しようとしても、どのように呼びかけたらよいのか、また、一緒に呼びかける仲間を募るためにはどうすればよいのか。運動の経験も少なく、よく分からなかった私は、とりあえず大学のゼミで仲間たちに相談してみることにしました。
 私も参加している「自主・平和・民主のための広範な国民連合」の呼びかけ人の一人でもあるゼミの担当の先生は、この話を真剣に受け止めてくれ、「署名活動を進めてはどうか、国民連合を通じて広く呼びかけてみたら」「外国に呼びかけるときの和文英訳などは私が引き受けますよ」などと助言してくれました。
 私はこれらのことを国民連合・愛知の方々に話し、具体的な相談にのっていただきました。国民連合の皆さんは、それぞれ仕事をもっているので、すぐに動くことは容易でありません。しかし、大事な取り組みであり、とにかく行動に移しましょうということで、十一月四日(日)に市内の繁華街栄で停戦を求める募金・署名活動を行いました。また、同じゼミの仲間にも、この街頭での呼びかけや署名に協力してもらうことができました。
 募金は、アフガニスタン現地で食料・医療などの支援に当たっているNGOのペシャワール会に送るものです。また、署名は小泉首相あてで、(1)戦争をすぐにやめるように、米国政府に要請してください(2)報復戦争に加担するのをやめてください(3)自衛隊を派遣しないでください、の三点を求めるものです。
 行動当日は風が強く、昼下がりからは空気も冷たくなってきましたが、二十五人の方々が署名をしてくださり、募金は六千二百六十八円が集まりました。

*    *

 署名を呼びかけてみると、「私は米国の報復を理解できるから署名はしません」という人が何人もいたのも事実です。しかし、そういった人びとも、この武力衝突によって多くの一般民衆が犠牲になることまで容認できるとは考えられません。事態は切迫しています。今現在苦しんでいる民衆のことを第一に考える行動がなければいけないと思うし、それはもっとも多くの人びとが共感するところではないかと思うのです。
 そういう考えにもとづいて署名を集めたら、きっともっとたくさん集められるのではないかと思います。世界で起きている、さまざまな理不尽で非人間的なこと、貧困や憎悪が、自分たちの国、社会のありようと密接に結びついていることを痛切に感じる昨今です。大学で自分が何を学んできたのか、改めて考えさせられています。

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