20011105

米軍支援で俺たちも標的?

お粗末な炭疽菌対策

感染なら職制も道連れだ

郵便局員 坂田 浩太


 「白い粉」といえば、「人間やめますか」の覚醒剤と相場が決まっていたが、最近はなんといっても炭疽菌。特に俺の職場は郵便局なので、毎日これが話題の中心。それでも、これは米国のことであって日本には直接関係がないと思っているのか、ピリピリした緊張感があるわけではない。
 しかし当然ながら、米国での事件発生以来、郵便局も炭疽菌対策が職員に流された。郵便局の指示として管理者が言うには、「形状の異常な郵便物を発見したら知らせる」「郵便物に粉が付着していたり、形状が破損して粉などが漏れていたら、その場から離れて、飛散しないようにビニールか布を上にかぶせる」「窓口で引き受けるとき(手にした感触が)粉のようなものだったら差出人に内容を聞き、安全なものであるならその旨の付箋(ふせん)をつけて引き受ける」などなど。
 まあ、まだ日本国内では発生していないとはいえ、「危機管理」ということではまったくお粗末な対策。
 形状が異常(?)なものは日常茶飯事だし、破損して漏れていたらでは、発見者は一〇〇%感染だし、まして飛散しないように上からビニールや布をかぶせる? 冗談じゃない、だれが近寄るものか。窓口での安全確認? 犯人が「炭疽菌が入っています」なんて言うわけもない。ポストに入ったものはなおさら確認なんてできない。大量の郵便物を処理するために押印機にかけ、区分機で分けるのだから、粉なんてそこいら中に飛散するのだから、文字通り悲惨な状況。
 だから職場では皆「発見したときは遅いんだよ」「俺が感染したら管理者も道連れにしてやる」などといっているありさま。
 本当に「危機管理」をするのならば、最低でも全員手袋をし、防毒マスクをかけ、機械を使わずに仕事をすることと、郵便物を処理する前に検査をしっかりと行う以外にない。
 だいたい米国が自分でまいた種で起こったことなんだから、自業自得というもの。米国の郵便局員は気の毒だけど、自分の国の政府の問題として責任を追及するしかないと思う。
 俺たちだって同様の問題を抱えることになった。後方だかどこだか知らないが、米軍の支援をすれば、日本が相手の報復や攻撃の対象になるのは成り行きで、そこんところを俺たち労働者は考えないと大変なことになるわけだ。
 なにを考えて支援だ! 支援だ! と息巻いているのか分からんけど、小泉君、まず銃をもって前線に支援に行ってきなよ。

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