20010925

アラブの米国憎悪は当然
訓練に市民の苦情殺到

厚木基地周辺は騒音地獄

神奈川・主婦 菊池 良美


 土曜日だというのにこの騒音はなんだろうかと、思わず基地の方向を見ました。厚木基地から飛び立つ戦闘機が爆音をまき散らしながら、連続離発着訓練を繰り返しています。こんなに短い間隔で次々と戦闘機が飛び立つのを、今まで一度も経験したことがありません。しかも、朝は八時前から夜は十時過ぎまで、この地域はまさに騒音地獄と化しています。
 子供たちも学校では、冷房期を過ぎているので窓を開けることもできず、暑さと騒音の中で大変な毎日です。先日も子供たちの野球の試合がありましたが、監督の指示は爆音にかき消されてしまい試合どころではありません。プロ野球のようにブロックサインというわけにいきませんから。もうみんな頭にきています。
 九月十五日から、横須賀基地に入港中の空母キティホークの全艦載機が「タッチ・アンド・ゴー」を実施したのです。休日返上で飛行訓練することや、ほぼ全機種が参加するのはきわめて異例のことらしい。大和市や綾瀬市など厚木基地に隣接する市役所には市民の騒音苦情が殺到しているが、やり場のない市民の怒りが込められています。
 新聞、テレビは連日のように事件を報道し、「テロ反対」の大合唱が繰り広げられています。戦争一色の米国ですが、「米国金融街がテロの対象になったのは・市場経済は世界中の富をごく一部の国に移し、世界が同様に成長できない。貧しい国は貧しいまま、という考えが不満を募らせた」(ニューヨーク州立大・ウォーラーステイン名誉教授)と、事件の本質に迫る論評も見られます。
 さて、米国が今度の事件の「黒幕」と名指ししたビンラディン氏は、アフガン戦争では米国と共闘しソ連と闘い、湾岸戦争後は反米派になったといわれています。米国は湾岸戦争の勝利に酔いしれ、日本は戦費をむしり取られながら「国際貢献」が不十分だと、議論に明け暮れていました。
 国連決議を錦の御旗に、米欧諸国はミサイルや戦闘機で、イラクに対して無差別攻撃を繰り返しました。だれも知らない振りをしていますが、犠牲者は「同時多発テロ」の比どころではなく、今も多数の民衆が経済制裁の下、耐乏生活を余儀なくさせられています。アラブの民衆が米国に対して憎悪をかき立てたのは当然ではないでしょうか。 米国のブッシュ政権は、父親の仕掛けた戦争の副産物で国の心臓部を狙われ、威信は失墜しています。これも歴史の皮肉でしょうか。
 十七日には、横須賀から米艦カーティス・ウィルバー、ビンセンスが出港し、二十一日には空母キティホークが出港しました。
 同時多発テロ事件で、米国経済がいちだんと不安定となり円高が進んでいます。身内にも工場移転にともないリストラされ失業中の人がいます。県内の電機産業では軒並みにリストラが吹き荒れていますが、こうした動きをさらに加速させなければいいのに、と願っていますがどうなるのでしょうか。

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