20010615

不況で営業マンはつらいよ

今日も酒場でうさばらし

長野県・流通労働者 林田 正文


 そろそろ梅雨に入ったと思われる長野県より、お便りいたします。
 「県内、隣接県の約七都県を営業範囲としてまわり歩く」というのが、いちおう私の仕事です。
 仕事の内容は、スーパーの改装に伴う店内レイアウト(商品配置と新旧入れ替え)の変更をお手伝いするなどの応援作業と、商品をスーパー、小売店、問屋、その他扱い業者に対して売り込みをかけるということになっております。
 最近は、先行き不安(中小の小売チェーン店の廃業。長野市内では、ダイエーの撤退とそごうの倒産もありました)からか、商品の売れ行きも悪く、営業を生業としているものにはなかなか厳しい現実があります。
 この不景気のなかで売り上げをのばしている「激安」チェーン店もあることはよく知られてはいますが…。しかし、こちらを立てれば、あちらが立たず…などあり、なかなか売り込みにくいのが現実です。
 大競争時代に入り、「金融関係」「土木、建築関係」のリストラが叫ばれておりますが、その次には、「流通関係」も大胆にやりたいみたいで、本当に困ってしまいます。
 そんな仕事の毎日で、自分の身のまわりのことを片づけるのに手いっぱいで、もっと広い範囲から、現状を見つめたいのですが、時間(気持ちの余裕)がありません。
 ちなみにこの一週間は、月曜日=長野?松本?甲府(泊)、火曜日=甲府?東京?大宮(長野着は午前様でした)、水曜日=長野?金沢(泊)、木曜日=金沢(終日)、金曜日=北陸?松本?飯田?ようやく長野着、土曜日=終日死んでました。
 ところが、「酒を飲んだりしながらの愉快な時間」は十二分にあるんですね。困ったものです。
 先日も仲間と、お湯割り焼酎とロックの焼酎で「流通業の情勢討議(仲良く、わいわいと)」に花が咲いている時、偶然昔の知り合いと出会いました。
 彼が言うには、「昔勤めていた会社(建築関係)が倒産して、大嫌いだった昔の上司も辞めてしまったらしい。今の仕事は拘束時間が長くて、とても疲れて、大変だ…」なぁ?んて、愚痴っていたかと思えば、「ところで、お前のところの会社は、大丈夫か?」なんて、真面目な顔して聞き始めました。
 議論伯仲の「流通業の情勢討議」の場が白けてしまい、一瞬まわりの時間が止まってしまいました。
 皆で機嫌よく飲んでいる時に、よくいるんですよねぇ、こういう野郎が。なんで、皆で馬鹿話しながら飲んでるのか分かっていない、大馬鹿野郎です。
 皆がここ数日(俺なんか一週間でっせ!)の「いやなこと」「きつかったこと」「腹が立ったこと」がいっぱいあるのに、それを言えずに悶々(もんもん)としたり、悔しい思いをしたりしている。それらを忘れようとして、「わいわい」やってるのに…。わかってぇな、にいちゃん!。
 皆さんも、この大馬鹿野郎みたいにならないように。それでいて、私のように、飲んで「憂さをはらす」だけの仲間にならないように。そこんところ、よろしくお願いします。
 まあ、今日のところは、この辺りでお開きに。

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