20010525

なぜワドル艦長が無罪

米国に毅然とした態度を

中学校教員 浜田 嘉寿


 私は中学校の教師をしている。私はいつも妙な感じがしていた。わが日本は米国に対して、なぜこうまで低姿勢でいなければならないのか。
 戦争に負けて戦後大変お世話になった。なるほど、それもあるでしょう。だけど、度が過ぎてはいませんか。戦後直後の占領下ならともかく、なぜ六十年近くもたったこんにち、ずっと日本に干渉してこなければいけないのか。米国の態度には強い不快感を感じざるを得なかった。
 この不愉快な疑問を一気に膨れ上がらせたのが、もう遠い過去の出来事でもあるかのようになってしまったえひめ丸事件だ。えひめ丸事件のことで生徒からこんな質問を投げかけられた。「なぜ米国の原子力潜水艦の艦長は有罪にならないんですか。なぜ日本の政府は黙っているんですか」と。
 当然の質問だと思う。私自身の胸の中にある思いといっしょだからだ。事実、米国側に非があるのは明らかで、当然の謝罪と補償がなされると思ってきた。日本政府も厳重抗議ぐらいはするだろうと。ところが、張本人のワドル艦長は無罪放免。退職はしたものの民間から求人依頼が殺到したという。
 これでは遺族はやりきれないだろう。悪いことをしても無罪放免。日本政府も追及しない。追及しないどころか、遺族の怒りを鎮める方に回っている。
 なぜ日本の政府はこれほどの屈辱を受けながらこういう態度をとるのか。米国のスパイ機と中国の戦闘機が衝突した事件で、中国が米国に対してとった毅然とした態度とはあまりにも対照的だ。
 政府は、日本が世界の笑いものになっていることすら気づかない。何とも哀れだ。いっそのこと、日本は日の丸も君が代も投げ捨てて、日本国の名称を解消し、米国の五十一番目の州になったらどうか。そうすれば、あの艦長は米国民を殺害した罪で有罪になることは間違いない。犠牲者が日本人だったから無罪になったのだ。
 小泉政権になって、世論操作もあってたいへんな支持率だが、米国と日本の関係、小泉さん、この難問を解決できる? どうもそうは思われない。集団的自衛権の行使、憲法改悪。米国の要求だ。不良債権の処理も米国との約束ごとだ。
 私のイライラはしばらく解消しそうもない。いや、ますます募るばかりだ。