20010515

100万ヘクタールの減反に思う

食料の海外依存をやめよ

宮城 升沢 克哲


 コメの過剰と米価下落で、とうとう二〇〇一年度の水田の減反面積が百一万ヘクタールに拡大割り当てとなった。コメの減反政策が始まったのは一九七一年からで、三十年の長期政策である。
 その減反が始まってから、急に農村は後継者不足になってきた。それは若者が他産業に移り始めたからだ。その後、年々就農者が老齢化し、現在では六十歳以上の農家の人びとが主体である。現在の農村をみると、田んぼでも畑でも若者の姿がほとんど見えない。
 コメの消費も年々減っている。もっとコメを食べてもらいたいが、今の若者は野菜もわずかしか食べず、もちろん米飯も少ない食生活に変わってきている。
 東北のように半湿田の多いところは、よほどの土地改良をしなければ畑作物の麦、大豆、飼料作物の転作は困難で成功も少ない。宮城県古川地区では水田に大豆の転作を大面積で実施しているが、播種、畦立、収穫は機械化している。成功するにはいろいろと苦労が多いようだ。
 今後の稲作経営は米価の暴落、減反政策によって、ますます困難になってくるものと思われる。
 今年度の農水省予算は、三兆円そこそこである。国民の食料確保こそもっとも大切なのに、コメ余りで減反はじめ、麦、大豆そして野菜、果物、さらには家畜の飼料などを大量に輸入している現状だ。国民の食料を海外に依存しているような農政は、先進国にはほとんどない。今こそ海外依存を減らし、政府はもっと農政に力を入れるべきだ。