20010325

2001春闘本番

残業拒否で闘う意思示す

印刷労働者 海原 幸雄


 自動車や電機など大手の賃上げ回答が出ましたが、私たちの春闘はこれから本番を迎えます。先日、組合の要求に対して第一回の団交が開かれました。例年のことですが、組合の要求に対して、「検討します」だけで終わりました。
印刷関係の職場ですが、二月は例年仕事が少なくなるのに今年はどの部署も二十〜三十時間の残業に追われています。不動産、自動車、パチンコ店などの新聞折り込みチラシの仕事が目白押しです。消費が落ち込んでいるので、経営者の「売らんかな」という意気込みが伝わってきますが、「効果はあるのだろうか」と自問しながら仕事をしています。ある部署では七十時間の残業で、「三六協定」も形がい化しています。中小企業の置かれた厳しさもあり、大手と競争するにはこれしかないのかと組合としての対応の難しさを感じています。
 賃上げ要求は、産別の要求基準を参考にしながら定昇込みで三・五%としました。給与実態からすれば、もっと大幅な要求にしたいのですが、単価切り下げが横行する業界の実態もありギリギリの選択でした。
 私の昨年の賃上げは約四千円でしたが、九月から「介護保険料」として二千円増税となったので、実質賃金は前年比マイナスとなりました。職場の仲間にとっても同様で、賃上げの要求はいっそう切実なものになっています。
 職場では、長時間残業でやりくりしていて休日出勤もあり「なんでそんなに安い仕事を取ってくるのか」「交代制に対して手当を出してほしい」と経営に対して要求・不満も高まっています。 近く、第二回目の団交で会社回答が出ますが、回答を見ながら「スト権」集約に入る予定です。昨年は約八〇%近い賛成でスト権を集約しましたが、今年は職場の不満も強く、もっと高いスト批准率になるのではないでしょうか。産別の地域協議会の仲間と情報交換していますが、中小はどこも厳しいようです。
 教育費やローンを抱える私にとっても、組合員の要求実現への期待にこたえるためにも、昨年実績を上回らなければとの思いを強くしています。ヘタな妥協はできません。せめて「残業拒否闘争」で闘い、労働者の闘う意思を経営者に示したいと思っています。