20010315

えひめ丸事件
 初めて街頭宣伝を体験

人びとの関心の高さに感激

大学生 鳥海 宏美


 私は日本労働青年団で活動している者です。先月ハワイ沖で起こった米国原潜衝突事故の第一報をたまたまバイト先で聞きました。とっさに「軍事用に頑丈につくられた巨大な原潜が突如浮上して追突して来るとは、何て恐ろしい」との印象を受けました。
 他のバイトの人は「ハワイで、ねえ」と特に関心を示していませんでした。「遠くで起こった事故だから、関係ない」との思いがあったのでしょう。私が「日本全土には米軍基地があるのに…。恐ろしいねえ」と言うと、「えっ、そんなの、あるの?」という感じでした。つくづく日本社会の現状が大衆には知らされていないと感じました。
 次の日、私たちの地域の他の同志と話をして、宣伝活動をしようということになりました。
 その日には森首相が事件の一報を聞いても、ゴルフをしていたなどの事実も伝わっており、「さすがにおバカというだけでは済まされん! お前がすぐに真剣に対応していたら、行方不明になっている人たちの救助活動も違っていたかもしれないじゃないか! おまえの責任じゃ!」と怒りが沸々とわいてきました。
 また、ついでではないのですが、一月末に起こった日航ニアミス事件も、新聞などでは「根本原因として、日本の空の主権が米軍に握られている」という現実を報道していないといういら立ちもあったので、このことにも触れる内容のビラをつくりました。
 しかし急きょ「今日宣伝やるので集まれ」ということで、バイトやら何やら予定の立たない者が多く、結局数人だけの参加でしたが、ビラを配り、マイクで訴えました。
 さすがに事件の次の日ということもあり、関心が高く、ビラを受け取った人がいつもよりは読んでくれているようでした。
 次の日には入団間もない団員も宣伝に参加しました。道行くおじさんに「がんばれよ」と声をかけてもらい、なぜか握手まで求められて、少し感激していました。また、初めてマイクでアジテーションを経験し、「道で大きな声で訴えるのは気持ちがよい」との感想でした。
 私自身を含めて他の団員も街頭アジの経験がなかったのですが、この二日間で少し慣れて、アドリブも少し出るぐらいにはなってきました。
 他の地域でも、「初めての宣伝」という団員も含めて街頭宣伝を行いました。ビラをつくる過程で、内容や表現について皆でいろいろと議論をして、結果としてよい勉強になったということです。ここでも道行く人から比較的よい反応が見られて、皆自信になっていました。
 現在の労青団には比較的新しい団員が多いので、これからも努めて街頭で直接に主張を訴える活動をしていきたいと思いました。